もう使わないキャンプ道具、 どうしていますか?『キャンプの作法~4月号より』

2019年5月21日

次々に新しいキャンプ道具が登場する一方、もう使わないキャンプ道具をみなさんはどうしていますか? 私は過去に無料で人にあげたことがあるものの、大半は物置に片づけっぱなしという状況です。私同様、無駄に道具をため込んでしまった方は多いようで、このところ中古アウトドア用品の買い取り・販売を行う店が増えています。そこで今回は、そんな中古用品の現状について取材してみました。お話を聞いたのは、2012年に創業した中古アウトドア用品店のパイオニアであるマウンガ。こちらの代表を務める遠藤浩史さんは、もともと友人たちと使わなくなった洋服をはじめ、山登りの道具やリュックなどの物々交換をしていました。「そうしたなか、使わないテントが放置されたまま劣化していくことにもったいなさを感じました。中古品だと出費が抑えられるけれど、クルマや本と違って、なぜアウトドア用品には中古売買がないのかと思っていて。中古販売店がないのは、モノを捨てることにもつながります。お店さえあれば、誰かに使ってもらえるのに」(遠藤さん、以下同)。そんな思いから、遠藤さんは中古アウトドア用品店マウンガを開店。現在は人気ショップですが、最初から反響があったわけではなく、認知されるまでにかなり時間がかかったそうです。定着してきた手応えが感じられるようになったのは約4~5年前から。「ものによって、『これは中古で済ませていい』、『シュラフなど肌に触れるものは新品じゃないと』、そんなふうにお客様も中古用品店の使い方を把握されてきたようです。最初はコアなキャンパーの方が多かったのですが、現在はファミリーからコアな方、高齢の方から若者とお客様の層は幅広いです。最初の出費を抑えたい初心者の利用も増えていますね」。

筆者の自宅も一部屋がキャンプ道具で埋まってしまっています。いまいちど、整理整頓して、いるもの、いらないものを整理しなくてはと考えています。※写真はイメージです

マウンガでは買い取ったものを、そのまま販売せず、可能な範囲でメンテナンスをしてから店頭に並べています。つぶれてしまったダウンのシュラフを、再び、ふっくらさせるなどもその一例。また、本体が売り物にならない劣化したテントは分解してフレームやジッパーなどの部品だけでも買い取るなど、可能な限り、リユースする方針と聞いて驚きました。そして、販売の際、リユースしたパーツが含まれる商品は丁寧に説明をして、購入者が納得できる努力もしています。感心したのは、売り上げの一部を自然環境保護団体に寄付して、自然を守る取り組みにも挑戦している点です。今年は、さらに自分たちの理念を伝えるアクションを計画中だそう。私もこのオフシーズンの間に、いちど物置部屋を整理して、リユースの意味を考えてみたいと思います。


取材協力:
マウンガ御岳本店
住所/東京都青梅市御岳本町359
TEL/0428-74-9235
営業時間/9:00~19:00(平日)、8:00~19:00(土・日・祝)
無休(臨時休業の際はホームページ内のカレンダーに記載)https://www.maunga.jp/
※ほかに吉祥寺店、奥多摩店(販売のみ)、オンライン販売あり。


コラムニスト紹介:ビューティフルキャンピング(ペンネーム&活動名)

ファッション誌、ファッション広告を中心に編集・執筆を行う。2011年春から、キャンプ空間をスタイリッシュに演出する楽しみ方「ビューティフルキャンピング」を広めようと活動中。

http://beautifulcamping.net/

https://www.facebook.com/BeautifulCamping

(オートキャンプ 2019年4月号 『キャンプの作法』より転載)
無断転載禁止 執筆者の許可を得て転載しているものです。