【連載コラム】「ぼくの学校は世界中」番外記 第6回~【子連れ世界一周】|メキシコ編:キャンピングカーで巡る家族の旅

2025年9月30日

「ぼくの学校は世界中」番外記 第6回

子連れでキャンピングカーで世界一周、四大陸、50ヶ国、12万キロを走破した雲野さんの物語

アラスカからメキシコへ

念願のキャンピングカーをアラスカで手に入れた私たち家族は、北米大陸を駆け抜けながら旅をスタートさせた。オーロラの絶景に心を奪われ、野生のバッファローの群れに遭遇し、北米でも数少ない温泉に浸かる。移動中心だったカナダ・アメリカの旅を終えると、いよいよ未知の国・メキシコへ。
SNSを通じて多くの友人から「治安が悪いけど大丈夫?」と心配の声が届いた国境越え。最初に踏み入れたのは、世界的に治安が悪いと名高いティファナだった。ここから私たちは、それまでの野営車中泊から一転、キャンプ場を拠点とする旅へ切り替えることにした。

※メキシコ旅前半はキャンプ場泊中心
※メキシコ旅前半はキャンプ場泊中心

無人ビーチでの焚き火と星空

バハ・カリフォルニア半島を南下する道中、アメリカ人のベテラン旅人に出会い「メキシコも車中泊しやすいよ」と背中を押される。そこで無人ビーチで2泊。流木を拾って焚き火を囲み、星空の下で子どもたちと過ごした時間は格別だった。
サーフィン再開を夢見て波を探したが、体力不足で上手くいかず。それも含めていい思い出になった。自然とともに暮らすアウトドアの時間が、親子の距離をさらに近づけてくれた。

自分たちで流木を拾い焚き火を楽しむ息子たち
自分たちで流木を拾い焚き火を楽しむ息子たち

旅の洗礼と命の重み

メキシコならではの洗礼もあった。水が合わず、妻と子どもたちが下痢で10日近く苦しんだのだ。ポータブルトイレを積んでいたおかげで何とか乗り切ったが、体調管理の大切さを改めて痛感した。
さらに、豪雨の後にできた大きな水たまりへ高速で突っ込み、車が浮いて操縦不能になる「ハイドロプレーニング現象」も経験。必死にハンドルを押さえ、対向車がいなかったから助かったが、命の重みを実感した瞬間だった。

※約10日間の水当たりに苦しんだ
※約10日間の水当たりに苦しんだ

色彩豊かな街と文化の出会い

それでもメキシコの旅は驚きと感動の連続だった。 『リメンバー・ミー』の舞台として知られるカラフルなグアナファトの街並み オアハカ州の絶景「イエルベ・エル・アグア」の天然プール チアパス州サンクリストバルの日本人宿での日本語環境の安心感 さらに足を伸ばしたサン・フアン・チャムラで触れた独特の土着信仰 子どもたちと共に「こんな暮らしがあるんだ」と驚きと学びを分かち合った。

食の贅沢と異文化体験

アウトドアの醍醐味は食にもあった。ビーチでは地元漁師から朝獲れのロブスターを格安で購入し、その日のうちに豪快に調理。子どもたちも「こんなに大きなエビは初めて!」と大はしゃぎだった。
さらにメキシコのビール文化、とりわけコロナビールは、夕陽のビーチで家族と語り合うひとときを爽やかに彩ってくれた。

※目の前の海で獲れたロブスター600円!
※目の前の海で獲れたロブスター600円!

また、道端では巨大なイグアナがのそのそ歩き、市場では食材として売られる姿に驚かされた。子どもたちは「どうして?」「なぜ?」と質問を繰り返し、教科書にはない学びを次々と吸収していった。

※市場で売られるイグアナ、スープにして食べる
※市場で売られるイグアナ、スープにして食べる

危険のイメージを超えて

当初抱いていた「メキシコ=危険」というイメージは、現地の人々の温かさや料理のおいしさに触れるうちに霧散していった。キャンピングカーで走り抜けた道、焚き火の炎、そして笑顔あふれるメキシコの人々。子どもたちと共に味わったそのすべてが、家族の宝物となった。
そして旅は次なる舞台、未知なる国・中米グアテマラへと続いていく。

次回予告:

次回は未知なる国、中米グアテマラへ

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