今人気の雪中キャンプを紹介

雪中キャンプの醍醐味！

冬のキャンプはとても魅力的です。私は有数の豪雪地・長野県栄村に暮らしていることもあり、冬シーズンに60日程は雪上でのアクティビティを楽しんでいます。そのなかでも雪中キャンプは格別な楽しさを感じることができると思います。
今回はそんな雪中キャンプの魅力と注意点などについて解説していきます。

①雪の魅力

雪が創り出す景観は美しいですよね！キラキラと輝く小さな結晶や雪をかぶった森の木々、雪面に点々と続く動物の足あと等々。雪で遊んだことのある方はわかると思いますが、雪は変幻自在です。丸く固めたりブロック状に加工したり、積み上げたり穴を掘ったり。そして性質もさまざまです。降りたての雪は「フワッ」としていて軽いですし積もった雪は硬くて氷のようです。くっつき合う粘性や消音効果もあります。そんな雪の特徴をいかして存分に楽しみましょう！

②意外と寒くない？！雪中キャンプ

「雪の中は意外と寒くない！」と感じられたら雪中キャンプの上級者かもしれません。雪の中の温度は約0℃、湿度はほぼ100％です。私は仕事で雪中泊（雪洞泊：雪の中に自分の寝るスペース分の穴を掘って寝泊まりすること、イグルー泊：雪のブロックをドーム状に積み重ねた空間内に寝泊まりすること）や雪上泊（雪上にテントを張って寝泊まりすること）を頻繁に行うのですが、どれも快適に過ごすことができます。外気温の冷気と風による体感温度を抑えることができるかどうかが大きなポイントです。
また雪上でおこなう焚き火は格別です。寒さの中で火を囲んでご飯を食べると身も心もあたたまります。

③冬ならではの道具

寒さ対策として、まずは自身の服装を整えましょう。汗は天敵ですので、速乾性の高い素材のウェア（アンダー・ミドル・アウター）を上下ともしっかり揃えましょう。特に下半身が冷えやすいのでダウンパンツはおススメです。そしてもちろん帽子（耳まで覆えるタイプ）と手袋、厚手の靴下（あればダウンシューズ）も用意しましょう。
服装が整ったら道具の準備です。特に揃えていただきたいのは冬用の寝袋とテントです。寝袋は4シーズン用で適正温度が－5℃以下のものを選びましょう。そしてテントも冬用のものを用意します。冬用のテントは、強度や難燃性が高い素材で作られていたり、スカート（テント本体とフライシートの隙間を無くすために付いている生地）があったり、ベンチレーション（通気口）がついていたりします。
また、雪上活動で欠かせない必須アイテムはスノースコップです。軽くて丈夫な素材でできているため雪の扱いには欠かせません。

雪中活動で気をつけること

①整地

使用するエリアの雪面を平らに踏み固めます。特に雪の上でテントを立てる際には、寝る場所が傾斜や凹凸が無いようスコップを使ってできるだけ平らに整えます。

②防風対策

踏み固めた雪をブロック状に掘り出して積み重ねると雪の壁ができます。食事やテント泊をするエリアの外周に2m程の壁を作れるとベストですが相当の労力がいるので必要に応じて楽しみながらできると良いでしょう。

③地形と天候

たくさんの雪に覆われると夏と違って境界がわからなくなります。また、キャンプ指定地ではない自然の中だとなお更です。土地の管理的に問題ないエリアかどうか、雪崩のリスクがないか、降雪の影響はなさそうか等の確認をおこなって安全安心な環境でおこないましょう。

④一酸化炭素中毒

冬は暖をとるために火器を使用することが多いと思いますが、テント内での使用は極力避けましょう。どうしても使用する場合には、ベンチレーションや出入口からの通気を行いながら絶対に一酸化炭素中毒や火災が起こらないようにします。

はじめて雪中キャンプを楽しむ方へ

冬にしかできない雪中キャンプをぜひ楽しんでいただきたいところですが、「初めてで不安」という方も多いと思います。例えばWEBで情報収集したりアウトドアショップへ行って聞いてみるのもありです。
雪中キャンプに初めてトライする時には無理は禁物です！冬季もオープンしていてAC電源が使える（電気毛布や電気ストーブを持参して使える）キャンプ場に問合せするのも良いでしょう。安心安全を保ちながらぜひ冬のキャンプを楽しんでみましょう。

＜参考：冬キャンプの情報とキャンプ場情報＞
・CAMP HACK（https://camphack.nap-camp.com/4278）
・ライジング・フィールド軽井沢（https://www.rising-field.com/）
・銀河もみじキャンプ場（https://gingamomiji.org/wp/）

(執筆者紹介)
吉田理史
日本キャンプ協会理事・指導者養成委員（https://camping.or.jp/）
Leave No Trace Japan 理事（https://lntj.jp/）
信州アウトドアプロジェクト設立メンバー（https://www.outdoorproject.jp/）
SATOYAMAそだち代表理事（https://www.facebook.com/satoyamasodachi）
国際自然環境アウトドア専門学校（https://www.i-nac.ac.jp/）他非常勤講師