笑って学ぼう!「やっちゃったキャンプ2025」エピソード発表

2025年12月5日

キャンプに失敗はつきもの! そんな失敗から学んで次に活かすのがキャンパーたるもの。ということで、11月のメルマガで募集した「やっちゃったキャンプエピソード」の中から厳選して、お二人のエピソードをご紹介します。

※たくさんのご応募ありがとうございました。掲載のお二人にはささやかながらギフト券をお送りさせていただきます。そのほか、抽選で3名様にもギフト券をお送りいたします。

どんな小さなことも油断大敵!あわや崖から転がる!?

崖で身動きが取れなくなった…(投稿者:バンデさん 愛知県)

新型コロナで大騒ぎだった頃の話です。家にこもるのも飽き飽きし、息抜きにソロキャンプに出かけました。
良い眺めの湖でキャンプをしました。キャンプ場は湖に続く崖の上でした。雨水か何かを流すためのアスファルトが、狭い道のように崖の下の湖へと続いていました。
設営をし終わり、久しぶりに見る自然の美しさに満たされました。お茶を沸かそうとクッカーを出しました。その途端、手が滑ってクッカーのふたを落としました。蓋は崖転がり、3Mほど下のアスファルトの近辺に落ちました。そこで、アスファルトの道だから大丈夫と思い込み、降りてしまったのです。
前の日の台風の影響でアスファルトが濡れていて、滑って上へ行けません。逆に体が下に滑り落ち始めました。かろうじて、踏ん張って地面に手を突き、止まりましたが、手を離せば下に転げ落ちそうな急傾斜でした。下は木が生えているので、転げ落ちて死ぬ可能性は低かったものの、ある程度の怪我は免れず、落ちたら容易には気づかれそうにない場所です。体は少しずつ下へと滑り落ちていきます。パニックになりました。

そのときどうした?

ちょうどその時、隣でテントを張っていたキャンパーさんがテントに戻ってきました。必死で大声を上げて、助けてください!と呼びました。2人のキャンパーさんが、私を見て目を丸くしました。一つ間違えると、彼らも二重遭難しかねないくらいの状況です。そこで、彼らは太い木にガイロープを2本結わえ、私の方に投げてくれました。おかげで、自力で上に上がることができました。危機を救っていただけて本当にありがたく、何度もお礼をしましたが、笑って、いいですよと言っていただけました。

今ならどう防げた?

崖を降りるなら、ロープを木に結わえて降りるべきでした。10メートルのパラコードを持っていたのに…安全にキャンプするためには油断は大敵だと思いました。

思わぬところに潜む危険

キャンプをしていると、思わぬところに危険が潜んでいることがあります。 今回の体験談は、まさに“ちょっとした油断”が大きな危機につながりかけた例でした。

クッカーのふたを拾いに行く——ふだんなら何でもない、ほんの数秒の行動です。 でも、その日は雨上がりで地面が濡れ、崖は想像以上に滑りやすい状態でした。 「大丈夫だろう」という気持ちで足を踏み出した一歩が、戻れない場所へとつながってしまったのです。

パニックになるほどの恐怖の中、声を聞いて駆けつけてくれたキャンパーさん。 ロープを結んで差し伸べてくれたその判断と行動が、まさに命綱でした。 キャンプ場で出会う“知らない誰か”が、あの日は命を救ってくれる存在だった—— そう思えるエピソードに、胸が熱くなります。

キャンプは自然を楽しむ素晴らしい時間ですが、同じ自然の中にはリスクもあります。 でも、今回のように、互いに助け合い、声をかけ合えるキャンパー同士のつながりがあるからこそ、安心して楽しめる場でもあります。

この体験談が、 「ちょっと気をつけてみよう」 「危なそうなら無理をしないでおこう」 そんな優しい気づきにつながれば嬉しく思います。

大切なのは、完璧にすることではなく、ほんの少しだけ気をつけること。 その積み重ねが、楽しいキャンプを守ってくれますね。

強風時の鉄則「テントと違うぞ、タープはたため」!?

突然の強風で(投稿者:DIYキャンパーさん 岩手県)

岩手のとある山のなかでGWにキャンプをしました。夕方から小雨が降って肌寒いなと思いながらも楽しんでいましたが、夜になって強風が吹き荒れて…

そのときどうなった?

グループキャンプでしたが、みんな風が強いくらいにしか思ってなくて、朝起きてビックリでした。

立てたままだったワンタッチタープが4〜5mほど飛ばされてしまい、骨組みがグニャグニャになるくらいに壊れてしまいました。
ペグダウンしていようが、強風時には畳まないとダメなんだと反省しました。

今ならどう防げた?

風が強い時はタープは畳むしかない
テントと違って、風に煽られやすいから

自然の力は侮れない

キャンプでは天気が少しずつ変わっていくのも醍醐味ですが、ときには自然の力が想像以上に大きくなることがあります。 今回のエピソードは、その“変化の速さ”をあらためて考えさせてくれる体験でした。

夕方は小雨が降る程度で、「ちょっと肌寒いかな」くらいの状況。 それが夜には一転し、予想外の強風に。 グループ全員が「風が強いだけ」と思っていたからこそ、翌朝タープが数メートルも飛ばされて壊れていた光景は、きっと衝撃だったと思います。

タープは便利で快適な反面、風の影響を強く受ける道具。 ペグダウンをしていても、風向きや突風によっては持ちこたえられないことがあります。

今回の体験から、 「風が強いと感じたら、早めにタープを畳む」 というシンプルな行動が、道具と自分の安全・他者の安全のどちらも守ることにつながると気づかされます。

キャンプ中は、楽しい時間ほど周囲の変化に気づきにくいもの。 でも、風が出てきた時、天気が崩れそうな時、 「少し早めの判断をしておこうかな」 と気を配るだけで、大きなトラブルを避けられます。

今回の投稿にあるように、失敗したからこそ分かること、気づけることがたくさんあります。 誰にでも起こり得ることだからこそ、この経験がほかのキャンパーさんの“安全なキャンプのヒント”になれば嬉しいです。

失敗は誰にでも。気づけた分だけ、安全なキャンプに近づく。

今回ご紹介した2つのエピソードは、状況も原因も全く違うものでした。けれど、どちらにも共通しているのは「ほんの少しの油断や思い込みが、大きな危険に変わることがある」ということ。

クッカーのふたを拾いに崖を降りたことも、風が強い夜にタープをそのままにしたことも、どちらもその場では大丈夫そうに思えた判断だったのだと思います。

キャンプは自然の中で過ごすからこそ魅力的。同時に自然は軽く見てしまうと急に牙をむくこともあります。でも今回のように、体験から気づきを得られれば、その分だけ安全に近づけたということ。

「危ないかも?」と思ったら無理をしない。「まあ大丈夫だろう」を少しだけ疑ってみる。そんな小さな心掛けが、楽しいキャンプを守る大きな力になります。

そして、困ったときに助け合えるキャンパー同士のつながりも、自然のなかでの心強い味方。失敗を共有しあうことで、みんなのキャンプがもっと安全で、もっと豊かなものになっていくのかもしれませんね。

改めて、今回このエピソード募集に協力してくださったメルマガ読者の皆様に感謝申し上げます。