2022年12月にColeman(コールマン)のメディア向け展示会が開催されました。一部の2023年新商品の実展示が行われており、実際に製品に触れて使い心地を体験できました。その中でもいくつかピックアップしてご紹介します。
目次
- 4つのキャンプシーンに合わせた製品提案
- コロナ禍によりキャンプ人口は減少するもグッズ市場は伸長
- 今後は多様化するキャンプスタイルに合わせた提案が重要に
- サマーファミリーキャンプ
- パークキャンプ
- ホームチルキャンプ
- ソログルキャンプ
- コールマン2023年新商品の狙いは?
- まとめ
4つのキャンプシーンに合わせた製品提案
2023年の新商品の説明の前に、その背景についてコールマンからプレゼンがありました。
■コロナ禍によりキャンプ人口は減少するもグッズ市場は伸長
オートキャンプ白書によると、新型コロナウイルスの影響で2019年に860万人まで伸びたオートキャンプ人口は、2020年に610万人まで減少、2021年は復調しているものの750万人に留まっています。
一方でキャンプ用品市場は、右肩上がりで2020年に前年比+16%、2021年には+14%成長し998億円規模まで伸びています。「コロナ禍でキャンプに行く人は減ったがキャンプ用品の売上は伸び続けている」という状況になっています。
■今後は多様化するキャンプスタイルに合わせた提案が重要に
今後のキャンプ用品市場は落ち着きながらも、ライフスタイルに定着していき穏やかに成長するとコールマンでは予測しています。多様化するキャンプスタイルに合わせた提案が求められるという戦略の元、2023年の新商品は4つの利用シーンに合わせた提案がされています。
サマーファミリーキャンプ、パークキャンプ、ホームチルキャンプ、ソログルキャンプという4つのスタイルが提案されているので、展示会で確認できた製品と共にその詳細をご紹介します。
サマーファミリーキャンプ
サマーファミリーキャンプは、多くのキャンプ用品メーカーが主戦場としているゴールデンウィークや夏休みに家族でキャンプを行う層向けのスタイルです。
2022年の新商品として登場した夏場の暑いキャンプでも快適に過ごせるエアーシリーズは、まさにこのスタイルに適した製品です。
パークキャンプ
パークキャンプは公園でのピクニックやデイキャンプなど、宿泊を伴わない滞在であっても気軽にアウトドアを楽しめるというスタイルです。
2023年の新商品としてはインスタントアップ IGシェードが登場します。ワンタッチ構造で簡単に設営ができ、日差しを遮ることができます。
インスタントアップ IGシェードの中で使いやすいコンパクト グランドチェア(グレージュ)、レジャーシート デラックスも合わせて展示提案されていました。
米国で販売されていたコールマン1900シリーズをベースとしたアウトドアボトル、アウトドアタンブラーも2023年の新商品として登場します。実物の質感は非常に高級感がありました。
ホームチルキャンプ
ホームチルキャンプはいわゆる「おうちキャンプ」と呼称されるキャンプ場でも自宅でもキャンプ気分を味わうスタイルです。
筆者が個人的に今回の展示会で一番魅力に感じたのがエアカウチ、エアカウチダブルです。キャンプだけでなく自宅室内や自宅ガーデンでも使うことができるエアーを注入して使うカウチです。
一般的なエアーベッドのようなものを当初イメージしていましたが、実製品は非常にしっかりしたつくりになっており、立ち座りを繰り返してもへたりにくく、一定の反発のあるくつろぎやすいカウチでした。別途エアーポンプを用意する必要がありますが、40秒でセットアップできます。
非常に魅力的だなと感じたのはポータビリティ(携行性)です。エアーを抜くと写真のように非常にコンパクトになります。(名刺入れとサイズ比較しています)
ソログルキャンプ
ソログルキャンプは、すでに楽しまれている方も多くいらっしゃると思いますが、ソロで集まって各々思い思いの時間を過ごしながら、時よりグループで一緒の時間を過ごすキャンプスタイルです。
ソログルキャンプスタイル向けの2023年新商品としてティピーST(グレージュ)が登場します。設営の簡便さは維持しつつソロキャンプでも広いスペースで過ごせるテントとなっており、幕内には2台のコットが置けます。
インスタントアップドーム / 240も展示が行われていました。(フライシートを外した状態です)2022年の新商品であるインスタントアップドーム / Sはソロ向けのコンパクトな仕様でしたが、インナーテントは約240×240×145(h)cmと十分なスペースが確保されています。
コールマン2023年新商品の狙いは?
2023年もコールマンからたくさんの新商品が展開されます。新商品の狙いやユーザーのみなさんが気になっていることをニューウェルブランズ・ジャパン合同会社 コールマン事業部 マーケティング本部 西川宏様に伺いました。
ーー2023年新商品では新色「グレージュ」が多く採用されていますね。このカラーになった選定経緯を伺えますか。
西川様: カラーの決定はグローバルとは別に日本独自で行っています。キャンプシーズンのメインである”夏の土”からインスピレーションを得て「グレージュ」を提案しました。「グレージュ」はナチュラルトーンでありながら少し明るめなカラーとなっています。
ーー今回の新商品は4つのフォーカスシーンと合わせた提案がされており、例年よも利用シーンに合わせた訴求が強まったように感じます。どのような背景があったのでしょうか。
西川様: アウトドアレジャーはおかげさまで年々定着してきています。一昔前はユーザーのみなさま側の情報量がそれほど多くないというケースもあり、特定製品を推奨した方がわかりやすいこともありました。
ただし昨今は、商品についての情報取得も容易になり、キャンプ初心者でも経験者でも1つの商品をご提案するというよりも、新しい楽しみ方や新しい遊び方をスタイルとして提案した方がわかりやすいのではと考えました。ただしスタイルはあくまで一例で、例えば今回「パークキャンプ」というスタイルをご提案はしているものの、それらの製品をどう使うかはユーザーのみなさんの自由で、公園以外でも使っていただけると考えています。
ーーソログルキャンプのご提案にあたり、実際にキャンプ場を回って調査を行ったという話が印象的でした。
西川様: ソロキャンプ用のグッズは小さくコンパクトなものが多いですが、実際にオートキャンプ場でソロ、グループキャンプを楽しまれている様子を観るに、少々窮屈に感じている方もいるのでは?と思いました。そんな方に向けに「ソログルキャンプ」スタイルの2023年新商品は、余裕のあるサイズ感のアイテムを提案しています。例えば、テントで言いますと、幅、奥行きに加え、高さもある設計で荷物も余裕を持っておくことができるテントを揃えています。
ーー今回の新商品発表は第1弾ということですが、第2弾でもたくさんの製品を発表される予定ですか。
西川様: 例年よりは多くの製品を発表する予定です。これまでは秋冬向けに新商品を発表していましたが、アウトドアレジャーの需要が1年を通して高まっていることもあり、常に開発・提案をしていきたいと考えています。期待していただければと思います。
まとめ
今回幸運にも写真でしか見ることができなかったコールマンの2023年新商品を実際に見ることができました。製品の質感は実物の方がしっかりしており洗練されている印象を受けました。今後徐々に各販売店でも2023年新商品を確認できるようになると思われます。気になる方はぜひチェックしてみてください。
取材協力:キャンプレビュー
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