夏だ~!夏休みだ~!!
今年こそはファミキャンでびゅーするぞん!!!!
・・・と、キャンプ初挑戦パパママが日本中に出現するこの季節。それが夏。
たしかにね、夏休みの思い出にキャンプはもってこい。
でもね・・・夏がキャンプに一番厳しい季節だと僕は思っています。
それはもちろん「暑いから」。
寒いのはどうとでもなるよね…着りゃいいんだし。焚き火すりゃーね。ストーブ入れりゃぁね。
でも暑いのはきつい。寝苦しいし。おまけに病気になるし。
僕は元看護師で、救急部での勤務経験も長いです。近隣にキャンプ場も多く、熱中症で救急搬送される患者さんにはキャンパーもちらほらと。
そこで、今回は熱中症対策の話ですが。
いまさら感が強いのに、この対策を間違えている方が結構多いんです。
なので、看護師の視点から考える熱中症対策を今回はお伝えさせていただきます。
熱中症にならずに快適に夏キャンプする方法
1.キャンプ場選びは「標高の高いキャンプ場」を選ぶ。で、サイトは「林間サイト」
「トイレ綺麗なところがいいわ~」
「あそこ友達がめっちゃ良かったって言ってた」
みたいな感じで、おしゃれだったりレビューの良いキャンプ場を選んでるでしょ?
それも大事だけど、真夏のキャンプを快適にしたいなら、是非キャンプ場の標高も気にするようにしてくださいな。
標高が100m高くなれば気圧の関係で気温が0.6℃下がります。標高1000mだったら6℃も下がるので、かなり熱中症のリスクも軽減しますから。
さらに、直接日光が当たりにくい林間サイトにすれば、直接日光が当たるのを防ぐため、皮膚に当たる熱量が減少するだけでなく、地表も蓄熱されにくくなるため、一段と快適に過ごすことが出来るんですよ。
2.服装。あなた間違ってますよ。
はいそこのあなた。もし指導者から「暑くない格好をしてきてください。」そう言われたら、頭の中に浮かぶイメージは・・・
「半袖半ズボン」でしょ?
「いや?俺はハダカでいくけど」そんな人はいないと思うけど、もしいたなら行き先が変わってしまう可能性があるので注意しましょう。
というわけで答えは「長袖長ズボン」
いや、暑いだろ。そっちの方が。熱こもるだろ。という意見が出るのはごもっとも。
しかし、キャンプ場における熱中症予防には、肌を露出する行為が不正解となります。
なぜか?それは炎天下で設営などの作業をする場合、半袖だと日光を直接皮膚から吸収してしまい、体内に熱が蓄積しちゃうんですね。
なので、熱を吸収しにくい白系の衣類で全身をカバーするのが予防としては最高。
ただ、長袖だと身体の中にたまっていく熱を排出しづらい。なので、ピタッとした服より、ゆったりと風が抜けていくような服の方が良いです。
さらに汗が蒸発するときに生じる気化熱で熱を放散できるよう、素材は汗を吸収しやすい麻や綿タイプ。
頭からも熱を吸収するので、帽子をかぶることも忘れてはいけません。
総合すると、究極の熱中症対策ウェアは「アラブの石油王」になってしまいますが(; ・`д・´)
全て取り入れてもいいんですけどね。やりすぎると石油王になってしまうので、押さえられる要点だけ取り入れてみてはどうでしょう。
3.水分を取る
ネット上ではいろいろな情報を得られるようになりました。そのせいで逆に間違った認識をしている人がいるのがこの部分。
正解は「スポーツ飲料や経口補水液をゆっくりちびちび飲む」
でも、よく「熱中症予防には水で十分」という意見をネット上で見ることがあります。その理由として、塩分に関しては必要量をはるかに上回る量を普段の食事で摂取しているから、逆に摂り過ぎによる腎臓や心臓などの疾患の増悪の危険性があるからだそう。
これも熱中症予防の適切な内容なのですが、水で十分なのはあくまで徐々に起きる脱水であり、キャンプ中の場合は多量の発汗をともなう急激な脱水なので、吸収率の高いスポーツドリンク等ですばやく補給しなければなりません。。
そして、飲み方はゆっくりちびちび飲む。量はのどの渇きがなくなる程度をイメージして飲むようにしましょう。
4.暑さのピークと設営をずらす
チェックインが14時だったとして、「早く設営終わらせないと!」って炎天下のなかテント張りってやりがち。
でも、そこが一日の中で一番熱中症が発生している時間帯って知ってました?
厚生労働省が発表した「熱中症による死傷者数の時間帯別の状況」をみると、まさにその14時、15時が熱中症発生のピークであることが分かります。
チェックインしたら、木陰でチェアリングしたり、川で遊ぶ。16時になったら設営することで多少リスクが軽減しますよ。
<参考リンク>
職場における熱中症による死傷災害の発生状況
https://www.mhlw.go.jp/content/11200000/000900487.pdf
ここまでが間違えやすい熱中症対策となりますが、他にもいろいろな対策があります。
- 扇風機をつかう。
- コット・エアーマットで熱い地表から離れる
- テントの種類を遮熱性、遮光性が高い(コットン・TCターブ・ポリエステルでも遮熱用に2層構造となっているもの)に変える
どうでしたか?難しいこともなく、すぐにでも取り入れられそうな事ばかりだと思います。
対策できる内容を増やしていくことで熱中症予防だけではなく、結果、快適で楽しい「夏キャン」が出来ると思うので、是非取り入れてみてください。
ではでは~!!!!!
執筆:キャンゴ(アウトドアナースマン、JAC公認オートキャンプ指導者インストラクター)
四半世紀以上、大学病院の救急部などで勤務してきたジェネラルナース。外遊びの趣味が高じて現在はアウトドアナースマンという名前で、キャンプ場やアウトドアフェスで「看護+アウトドア」のイベントを行っている。最近ハマっているのはモルック。本気で日本代表を狙って毎日練習中。
最近になってYouTube開始。年内登録100名目指しているので登録していただければ泣いて喜びます。