キャンナビ読者の皆さんこんにちは。JACインストラクターの丹羽孝之です。
これまでに2回、防災を意識したギア選定というテーマで記事をご紹介しました。その後、もっと具体的に深掘りしてほしいというリクエストをいただきまして、今月から再び皆さんのお役に立つであろう情報!? 笑、をご紹介していきます。参考事例としてご一読いただけると嬉しいです!
今月のテーマ「水の使い方“食器洗いのノウハウ”」
皆さんはキャンプの食事の後の食器洗いはどのようにしていますか? 昨今は高規格キャンプ場が増えて、炊事場からの排水にはしっかりした浄化槽を設置してますし、蛇口からは温水も出るところが増えてますね。
とは言え、キャンプ中に自分の食器を毎食後に自宅同様に洗う必要があるのでしょうか? 中には潔癖性の方もいるでしょうけど、被災時にはそうも言ってられませんね。私はキャンプ場で洗剤と水をジャンジャン使って洗うのは抵抗があるんですよねぇ…。
という事で、山家(登山者)でもある私の食器洗い方法や、山小屋暮らしの中での水の使い方についてご紹介したいと思います。
この機会に、ぜひ自分なりの妥協点を探ってみてください!
1|拭き取りとすすぎ

まずは汚れの少ない食器からキッチンペーパーやティッシュで拭き取ります。
使ったキッチンペーパーやティッシュも次に汚れてる食器へ。出るごみも減らしましょう。

順繰りに汚れのひどい食器を拭いていきます。
すすぐ際は水よりもお湯が効率的です。特に冬場は油分が固まりやすいので。
すすぐ際も汚れの少ない食器から順に汚れ(油分)の多い食器に移していきます。


- 食事の盛り付け方も、油っぽい物は食器を分散させない事で効率良く片付けられます。
- 味噌汁などの汁物やお茶などを最後に汚れてる器に移して食べてしまう。
- カレー/シチューの類いは、シリコンスプーンで綺麗に掬い取ってしまいます。
使用しているのは、ユニフレーム FDシリコンスプーン。
2|アルコールで洗浄/殺菌して完了!

ある程度拭き取りとすすぎができたら、仕上げはアルコールを使います。パストリーゼ77のスプレーをシュッと一吹きして拭きあげます。この時もキッチンペーパーやティッシュは汚れの少ない食器から順に使い回していきます。

ちなみに、このスプレーは直径20cmくらいの食器であれば一吹きで満遍なく吹き付けられますよ。油分が多くても2回やれば十分だと思います。これで完了です!

- パストリーゼ77は食品添加物のアルコール製剤。キッチンまわりの除菌や油分落としに使えます。
- 食品への使用例として、メーカー公式は「ジャムやパンなどに噴霧してカビの発生を抑える」と案内しています。
- 表記・使い方はメーカー表示に従ってください。人の手指等への医薬的な効能はうたいません。
- 詳しくは公式情報をご確認ください。
【ポイント1】バケツの活用

ここで言うバケツの活用とは、水道水や沢の水を入れておく用途です。
私の山小屋生活では、北アルプスの清冽な川から引かれてる用水路で毎朝水汲みしてます。
友人たちからはまるで昔のドラマ「北の国から」のような生活と言われてます…笑。
話を戻すと、食器を洗ったり手を洗ったりする際に、直接バケツに突っ込むとすぐに水が汚れてしまいますよね。
なので、バケツにシェラカップを引っ掛けておき、それでバケツの水を汲んで使っています。
この方法は節水にもなって一石二鳥なんです。

補足: 私の山小屋は冬季は積雪地で小屋閉めするので、凍結による漏水リスクのある水道は引いてません。
用水路の水と天然水(近くの名水)で賄っています。電気だけは引いてあります! 便利と不便のハイブリッド生活…。
【ポイント2】洗剤の使用について
植物由来の洗剤など、キャンプ用に環境にやさしい製品が各種販売されています。値段も高いけど…。
人によっては洗剤で洗わないと気持ち悪いと思う方もいるでしょうね。ただし、それが無くなったらどうするの?
上記方法を知っていれば、たとえアルコールがなくてもキャンプ中や被災時は耐えられるはずです。なんでも応用を効かせることが大事ですよね。
【ポイント3】My食器のすすめ
妥協派も潔癖性の方も、My食器を使えばかなりの部分が解決するのではないでしょうか? 私は外遊びの際は必ずMy食器を持参します。
今回ご紹介した方法では、感染症リスクは拭い切れないでしょう。自分のためだけではなく、仲間たちの“気持ち”も考えてグルキャンでもMy食器の使用をおすすめします!
そうそう、アウトドアではお箸は結局のところ昔ながらの杉材の割り箸が一番便利だと思っています。
理由は、食べた後の食器をすすぐ際にこびりついたものをこそぎ落とすのに都合が良いからです。金属のお箸や、家庭で使うお箸だと先端が尖っているので役不足なんですよねぇ…。爪楊枝がなくてもナイフで割り箸を削れば使えますしね。
まとめ
さて、いかがでしたでしょうか? My食器かどうかでも感覚も変わってくると思います。紙皿、紙コップ派もいらっしゃるでしょうし、食器にラップを敷いてそもそも汚さないで使うと言う方もいらっしゃいますね。
最終的には自分が許容できる方法で良いと思いますが、知識としていろんなやり方を知っておくことが大事なんだと思っています。
それと応用力ですね。キャンパーとしてはここが一番大事なポイントでしょうかね!
次回も防災関連にも役立つ情報をご紹介していきますので、お楽しみに!