テント内での火器使用について

2022年12月6日

冬キャンプ季節になると煙突の出たティピーテントをよく見かけるようになる。テント内での火器の使用は、一酸化炭素中毒による死亡事故につながる可能性があるほか、火災の危険もあることから、当協会を含め様々な団体ではテント内で火器を使用しないよう呼びかけている。

製品評価技術基盤機構「nite(ナイト)」では昨年、テントでの火器の危険性についての動画を公開しており、石油機器工業会でも、ウェブサイトでテント内での屋外用のガス機器の使用の危険性を訴えている。

製品評価技術基盤機構「nite(ナイト)」がコールマンの協力で公開したテント内での火器の危険性についての動画

石油機器工業会ではテント内での屋外用の火器の使用の危険性を伝えている。

https://www.jgka.or.jp/gasusekiyu_riyou/anzen/gasu_okugai/index.html

一方で、冬キャンプの人気もあり、キャンプ場ではテントの中でも、薪ストーブや、最近では石油ストーブなどを使用する様子も見かけるのが現状。アウトドア用品店でも様々なストーブがキャンプ用として扱われている。

トヨトミ ストーブの使い方について

そうした中ストーブメーカーの「トヨトミ」では、今年からテントの中でのストーブの扱い方についての動画を公開した。
同社販促企画課の三浦大基さんは「テントの中での石油ストーブの使用は、テントの中を屋内と捉えるか屋外と捉えるかで、使用の可否が決まるのですが、長年どちらの結論もない状態が続いていました。
しかし、実際のキャンプでは今この瞬間もテントの中でストーブを使用している現状があり、事故が起こってからでは遅いという判断のもと社内で検討を重ねました。その検討の中で当社では実際にテントとストーブを使って実験し、取扱説明書の使用条件に加えテント上部の通気口を設けること、フロアマットを外すことなどを行えば換気が可能であることを確認し、キャンプでのストーブの使い方の動画を公開しました。ストーブを使われる方は是非ご覧頂ければと思います。」と話す。
動画の中では実際にストーブを使う際に注意すべきこと、やってはいけないことが解説されている。

テント内の火器の使用については、慣れた人でも小さな火災を起したり、死亡事故に至らなくても、一酸化炭素中毒でキャンプ場に救急車を呼ぶ例は毎年報告されている。
また様々なアウトドアブランドが出る中で、製品によりテント内での薪ストーブの使用を可とする仕様のものも出ているが、これは各メーカーの説明書の条件をクリアした場合のみ使用が可能ということだ。
「快適」で「楽しい」キャンプには「安全」が必須となる。冬の火器の扱いはくれぐれも慎重に行ないたい。


(日本オートキャンプ協会 編集部)