ウィズコロナのキャンプのカタチ ー 集合型ファミリーキャンプの試み
こんな時だからこそ、自然体験を共有したい
緊急事態宣言が明けたばかりの10月2日~3日、台風一過の秋晴れの下、「サンタヒルズ」オートキャンプ場(栃木県那珂川町)を会場に、集合型ファミリーキャンプイベント「この秋、家族でキャンプ ~トムソーヤがお手伝いします!」を、主に未就学児童を持つ親子7家族の参加を得て、総勢30名で開催いたしましたのでレポートいたします。
主催は「野外活動探険隊キャプテン・トムソーヤ」。1995年設立のボランティアサークルで、毎年、小中学生を対象に「夏の冒険キャンプ」を企画し、一昨年は宮城県の南蔵王野営場を拠点にロゲイニングによる宝探しをテーマに25回目の冒険キャンプを開催しました。しかしながら昨年、コロナ禍により初めての開催断念。
そして今年の夏も冒険キャンプを開催できるような状況にはならず、こんな状況でも何かできることはないかとメンバーで議論を重ねてたどり着いたのが今回のファミリーキャンプでした。
テントサイトで挑戦できるキャンプの技
家族毎にテントサイトを一区画ずつ割振り、備品も食事も自前で準備いただくファミリーキャンプをベースにしながら、トムソーヤスタッフのサポートで、少しでも楽しくて安全なキャンプを体験していただくことを目指しました。
いつも人気の高い集合型のゲームやキャンプファイヤーはできませんが、トムソーヤキャンプならではのワクワク感を感じてほしい。そんな思いから、それぞれのテントサイトで楽しめるアクティビティとして、「ペットボトルを使ったろ過装置作り」と「メタルマッチを使った着火」の実演を見ていただき、必要な道具を準備したうえで家族毎に自由に挑戦してもらうこととしました。
自作のろ過装置でコーヒーを透明にしたり、当初ガスバーナーで作る予定だった夕飯づくりを急遽焚き火に変更して挑戦いただいたり、初めて体験するろ過や焚き火は達成感のあるプログラムとなりました。
ゆったり過ごした贅沢な時間
そして今回の目玉の一つが特製クラフトビール。地元マイクロブルワリーを設立したレジェンドが今回スタッフメンバーに参加いただいたこともあり、この日のためにレモンフレーバーのオリジナル記念ビールを醸造してもらい、参加者特典として振る舞うこととしたのです。夕暮れの森の中で、サーバーから注がれるさわやかなクラフトビールに喉を鳴らした瞬間は、最高に贅沢な時間となりました。
2日目は、林間ににじむ陽射しと一斉にさえずり始めた鳥たちに起こされ活動が始まりました。
感染対策のため朝のつどいもなく、チェックアウトもゆったりめの正午の設定だったこともあり、それぞれの家族の思い思いの時間の流れで、朝食づくりや撤収の準備が進んでいきます。そんな時間の隙間を活用して、林間に仕掛けたカモフラージュや草木染めのお絵描きなども用意して、子どもと一緒に楽しめる自然遊びに自由に参加いただきました。
感染防止対策の工夫
緊急事態宣言下の開催準備となり、開催するのか、やめるのか、スタッフ間の議論も白熱しました。
ここまでやれば大丈夫だろうと自分たちが納得できる対策をガイドラインとしてまとめ、スタッフ間で共有できたことが開催に踏み切れた転機となりました。
ガイドラインはHPで周知するとともに、すべての参加者・スタッフに2週間前からの検温をお願いし、Googleフォームから毎日体調報告をいただくなど、皆さんに快くご協力をいただく中で今回のキャンプは実現することができました。
感染対策ガイドライン
http://captom.wp.xdomain.jp/event/coronaguideline/
森の中を駆け巡り、珍しいものに食い入るような視線を注ぎ、自然の中で生き生きと遊ぶ子どもたちの姿に、本当にキャンプって素晴らしいなぁと感じた2日間でした。
《レポート協力》
松本邦夫 JAC公認オートキャンプ指導者インストラクター
○野外活動探険隊キャプテン・トムソーヤ理事
○野外活動探険隊キャプテン・トムソーヤHP http://captom.wp.xdomain.jp/