当記事は当協会オートキャンプ指導者インストラクターによる2022年9月にワシントン州をキャンピングカーで旅した際の記録を寄稿いただいた記事になります。
会社を22年3月末に退職し、比較的自由な時間な時間ができたところで久しぶりにモーターホームでの海外キャンプをしようと思いたった。
最後に行った海外キャンプは2004年のオーストラリア。3人の子供達はまだ学生だった。カナダ駐在中を含めこれまで5回の比較的長期の海外でのキャンプキャンプ旅行を実施。カナダが3回、米国1回、オーストラリア1回。目的は、大自然の雄大な景色や動物に出会うことと、写真の撮影。これまでそれぞれの旅の記録は、オートキャンパー誌に投稿して、いつも掲載頂いていた。
9月10日―11日オリンピック国立公園
今日は、マウントレーニエ国立からオリンピック国立公園への移動日
朝一番で、マウントレーニエで見落としていた絶景ポイントのリックセッカーポイントを見てから、オリンピック国立公園へ260キロの移動。あまりに眠かったので途中でレッドブルを購入。なんと税込み4ドル。日本円で560円。このところの米国の物価高と円安で、なんでも日本の倍ぐらいの値段
◾️オリンピック国立公園キノートレインフォレスト
2時ごろにオリンピック国立公園の南側にあるキノートレインフォレストのキャンプ場に到着。このキャンプ場のすぐ横に、世界最大のシトカ・スプルース(トウヒ)の木が立っている。折角なので、そのまま近くのハイキングトレイルへ。前日までの風景とは異なり、緑豊かな自然に分け入る。温帯雨林の中には、苔蒸した大木や、折れた根のうえに生える木など神秘的な雰囲気が楽しめる。
マウントレーニエでは2日間、電気も水道も携帯の電波も届かない場所だったが、ここには電気と水道とWi-Fiがあり、一安心。やっと洗濯とシャワーを済まし、溜まった360通のe-mailに目を通した。
翌日は、じっくりと樹林散策。キノート・レイン・フォレストの1番長いトレイルを歩く。
朝8時から昼まで、温帯雨林の中を歩く。 入口で見た木の高さに圧倒される。中に分け入ると今度はジュラシックパークのよう。これまで、屋久島や白神山地を訪れたが、ここの樹林は規模がでかい。体いっぱいにマイナスイオンを浴びて、写真集が作れるほどたくさんシャッターを切った。
トレイルの途中に、レイク・キノート・ロッジという歴史的なホテルに立ち寄る。
午前中にキノート・レインフォレストの主なトレイルは歩いたので、昼食後は、太平洋岸まで走って、カラロックビーチを訪れる。太平洋の波は荒い。海岸沿いには流木が。
もう一つのビーチであるルビービーチは何故か工事中で入れず、残念。ここは、流木と岩と美しい夕景で有名。
9月12日 オリンピック国立公園 ホー・レインフォレスト
2日間過ごしたキノート湖を後にして、丁度オリンピック国立公園のど真ん中に位置するホー・レインフォレストを訪れる。
樹木はベイツガやハンノキ主体。枝という枝をコケが覆い、アオギヌゴケの仲間が垂れ下がる光景は特異。また、倒れた木の上に木が生えているのも面白い。
「コケの殿堂トレイル」(1.3km)と「スプルース・ネイチャー・トレイル」(2km)の両方をゆっくりと歩く。今日も沢山写真を撮ったので、後の整理が気にかかる。
ホー・レイン・フォレストを午前中に見学し終え、リアルト・ビーチの近くにある今日の宿泊地のThree River RVパークに向かう。途中の町で給油と残りの日程分の食料の買い物を済ます。
RVパークチェックインの後、リアルト・ビーチを訪れる。ここには、おびただしい流木の山が築かれている。これは、度々の津波によって内陸の樹木が薙ぎ倒され、それが海に運ばれて戻ってきたもの。
後、気がついたのは、この太平洋岸沿いには、先住民の居留地が点在すること。地名も種族の名前をとったものが多い。キノート、ホー等。
RVパークは、久々にフルフックアップ。シンクで使った水をやっと流すことができた。これまでは、グレイタンクが一杯にならないように、洗面器に水を溜め、トイレまで流しにいっていた。
9月13日 オリンピック国立公園:フラッタリー岬とソルダック・ホットスプリングス
今日でRVキャンプも7日目。
◾️フラッタリー岬
今日の目的地は、米国48州最北西端のフラッタリー岬。アメリカ本土で最も日本に近い岬。対岸にはカナダのバンクーバー島が見える。
フラッタリー岬は、マカー族の先住民居留地のニアベイの端に位置する。ここでの観光には1人10.5ドルの居留地入場料が必要。
フラッタリー岬の突端までは20分ほどトレイルを歩く。周りの木々の様子はここ3日ほど見てきた温帯雨林。突端の展望台からは、「壁の穴」と呼ばれる波に侵食された崖が見える。
隣で双眼鏡を持っていたアメリカ人が、あれを見よと言うので、その方向を見ると豆粒のような白い頭の鳥が見える。それがアメリカのシンボルであるアメリカンイーグル(白頭鷲)であることがわかった。彼はわざわざ1ドル札を出してそこに描かれている白頭鷲を見せてくれた。アメリカにはかれこれ4年住んでいたが初めての遭遇だった。
フラッタリー岬では、鯨に出会えることを期待したが、それはかなわず。また、沖に浮かぶタトゥーシュ島とその灯台は霧に隠れて見れなかった。
岬からの帰路、ニアベイのマカー族の博物館を訪れる。ここでは、500年前に崖崩れで埋まってしまった当時の先住民の遺物を掘り出したものが展示されていて、大変興味深い。
しっかりフラッタリー岬で時間を使った後、今日の宿泊地であるソルダック・ホットスプリングスへ向かう。1.5時間ほどの道のり。
◾️ソルダック・ホットスプリングス
ここは、国立公園の中の温泉リゾート。日本と異なり水着で入浴する。我々は温泉には入らず、近くのソルダック滝まで片道0.8マイルのトレッキング。今回の旅では本当によく歩く。
キャンプ場は温泉横のRVパーク。電源と水道付き。ただし、トイレはない。RVだからトイレは付いているからか。我々のRVにも当然トイレは付いているのだが、後処理のことを考えて一度も使っていない。今夜は温泉リゾートまでトイレを借りに行くことになりそう。
国立公園内のキャンプ場は携帯の電波もWi-Fiもとどかないので、夜は早く眠ることになる。
(次回以降、いよいよ旅の後半です。)
(執筆)
大谷裕幸(JAC公認オートキャンプ指導者インストラクター)
株式会社PROTEAN HIRO代表取締役
会社定年退職後に、1人会社を設立。
会社生活で培ったノウハつと趣味を仕事にキャンピングカーレンタル
(愛知名古屋守山でキャンピングカーレンタルするなら名古屋守山C.R.C. (japan-crc.com))
その他、カメラマン、業務改善コンサル、キャリアコンサルタント、英語・日本語講師等を行う
毎年、夏に海外キャンプ旅行を計画
自著:自身のカナダ・アラスカの旅行記