木の家に気ままに暮らす~古民家の宿・GLAMINKA

2019年11月22日

建築好きの私は、魅力的な建物の宿があると泊まってみたくてたまらなくなる。
「ノルウェーの森」のロケ地になった兵庫県神河町に、古民家をリノベーションした宿があると知って、11月初旬のある晴れた日に出かけてみた。
播但連絡道神埼南インターを降りて西へ。しばらく走ると両側の山肌がどんどん迫ってきて、山間部へと入っていく様がひしひしと感じられた。10分ほど走ったところで山の斜面へ登るわき道に入り、ぐんぐん登った先にその宿、GLAMINKAはあった。

築100年の古民家をリノベーションし、1棟貸しの宿として2018年2月にオープン。名前の由来はグランピング×民家。グラマラスなアウトドア体験をしつつ、古民家に泊まる。建物南面には大きな開口部がとられ、リビングとキッチンは土間になっていて靴のまま行き来する。ガラス戸を開け放てばリビングと外のBBQスペースがひとつの空間になる。インとアウトがボーダレスにつながり、まさに宿のコンセプトの通り、古民家にいながらにしてアウトドアな空間を楽しむことができる。
また、ここから眺める風景が秀逸である。谷合いの集落を見下ろす高台に位置し、懐かしい里山の風景が眼下に広がる。向いの山々が目線に近い高さにあり、たそがれの空に稜線が浮かび上がる。その風景に合わせるように、炉に火がともされた。

この宿のシンボルとなっているファイヤーサイドの焚き火台「TiPi」、この場所にほんとにお似合いである。
この風景を眺めながら頂いた仙霊茶は、神河町に300年伝わる伝統的なお茶。香ばしく深い味わいのお茶を頂きながら、設備について説明を受ける。建具などもなるべく当時のものを利用しているということで、玄関の引き戸もかなりの年季もの。お風呂は大小の五右衛門風呂で、洗面ボウルはお釜を流用しているユニークさ。ふと上を見上げると、古民家ならではの黒々とした梁。建築好きにはたまらない。

靴を脱いで一段上がったところがダイニング。炉を設えた大きなテーブルは、最大10人の利用がOKだとか。
夕食はみなさん時間をかけてゆっくり楽しまれるということで、早めに準備をしていただいた。すぐご近所で飼育しているというニジマスや神河のお米など、地元の食材を活用。味噌をぬって焼いたおむすびは香ばしくて美味!

アルミホイルに包んであるのはリンゴ。食事中火のそばにおいて回しながらじっくり焼くと、食事が終わるころにとろとろの焼リンゴが完成する。トッピング用に、次回はバニラアイスを持参したい。
夕食は囲炉裏メニューを用意してくださっているが、食材・ソフトドリンクの持込みもOK。アルコール類の持込みは持ち込み料が必要とのこと。
食事の準備が終わるとスタッフの方は退室される。あとは広い家の中を自由に過ごしていいのだ。
囲炉裏で食材を焼きながらの会話も弾む。夜が更けてくるとあたりは静まり返る。普段街中にいると意識していないが、どれだけ喧騒に囲まれているか、ここに来るとその違いがよく分かる。テレビがないので、家の中も外も静か。また、灯りが少ないので星がよく見える。上着を着込んで星空観賞に出てみた。

外は満天の星!月が出ていなければもっと鮮明に見えることだろう。
ゆっくり食事をし星空を堪能していたら、あっという間に時間が過ぎた。
五右衛門風呂で温まり、二階の和室で就寝。初めての場所なのにぐっすり快眠だったのは、癒し効果だろうか。

翌朝、由緒正しい(笑)和朝食の完成。
アンケートに答えるか、滞在中の様子をSNSに投稿すると、朝食の食材を無償で提供してもらえる。
ご飯を土鍋で炊き、鮭と玉子を焼く。お味噌汁はお湯でとけばいい状態になっているので簡単。のんびり朝食をいただきあちこち写真を撮っていると、あっという間にチェックアウトの時間になってしまった。

 

なんだか物足りない。連泊すればもっと堪能できるだろう。
近くには、天空の城として有名な竹田城跡や生野銀山、神子畑選鉱場などの歴史的遺産、映画のロケ地となった砥峰高原など見どころが豊富である。
本をどっさり持ち込んでのんびり1日を楽しむもよし。昼間は観光に出かけ、夕方からは景色を眺めながら焚火を楽しむもよし。やはり次回は連泊をしたい。そう思いながら宿を後にした。

GLAMINKA
住所:兵庫県神崎郡神河町南小田958
https://www.glaminka.com
LINE:https://line.me/R/ti/p/%40hcg1066f (ID:@glaminka)


コラムニスト紹介:吉田あげは
キャンプ好きが高じて山にログハウスを建て、ログハウス好きが高じて建築フォトグラファーになる。キャンプと建物探訪を人生の二大柱として、本業そっちのけで活動中。
https://ageha68.com