【連載コラム】「ぼくの学校は世界中」番外記 第10回~【子連れ世界一周】|キャンピングカーを置いて、家族でペルーを歩いた5ヶ月間

2026年2月9日

ぼくの学校は世界中 番外記第10回

子連れでキャンピングカーで世界一周、四大陸、50ヶ国、12万キロを走破した雲野さんの物語

■前回までの記事はこちら

【連載コラム】「ぼくの学校は世界中」番外記 第9回|キャンナビ
【連載コラム】「ぼくの学校は世界中」番外記 第8回|キャンナビ
【連載コラム】「ぼくの学校は世界中」番外記 第7回|キャンナビ
【連載コラム】「ぼくの学校は世界中」番外記 第6回|キャンナビ
【連載コラム】「ぼくの学校は世界中」番外記 第5回|キャンナビ
【連載コラム】「ぼくの学校は世界中」番外記 第4回|キャンナビ
【連載コラム】「ぼくの学校は世界中」番外記 第3回| キャンナビ
【連載コラム】「ぼくの学校は世界中」番外記 第2回 | キャンナビ
【連載コラム】「ぼくの学校は世界中」番外記 第1回 | キャンナビ

キャンピングカーを置いて、家族でペルーを歩いた5ヶ月間

2021年8月、コロンビアの滞在期限が迫っていた。コロンビア以南の陸路国境は依然としてすべて閉鎖されたまま。コロナ禍とはいえ、6ヶ月以上の滞在延長も認められない。悩んだ末、私たちはキャンピングカーをコロンビアの友人宅に残し、空路でペルーへ向かうことを決めた。ペルーでは、身軽なバックパック旅をする予定だった。

「ぼくの学校は世界中」番外記 第9回~【子連れ世界一周】
※ コロンビアに車を残してペルーへ!

ところが出発当日、搭乗前の抗原検査で私に陽性反応が出た。妻と息子たちは陰性だったが、濃厚接触者と判断され、家族全員が強制隔離に。こうしてさらに2週間、コロンビアで足止めされ、8月7日、観光ビザの期限ぎりぎりでようやく出国した。

コロンビアの首都ボゴタからペルー・リマへ。空港を出た瞬間、タクシー運転手たちの激しい客引きと荒い運転、鳴り止まないクラクションに圧倒される。宿を決めていなかった私たちは街をさまよい、雑居ビルの一角にあるホステルで一夜を明かした。

翌夜、夜行バスで標高3090メートルの町ワラスへ向かう。移動規制は緩和されていたものの、車内はビニールシートで区切られ、まるで隔離病棟のようだった。

「ぼくの学校は世界中」番外記 第9回~【子連れ世界一周】
※ ビニールシートで覆われたバス座席

ワラスはアンデス山脈の麓にあるトレッキングの拠点だ。同時期に世界一周していた友人がSNSでシェアしていた写真に心を奪われ、いつか訪れたいと思っていた場所でもある。そんな折、音声SNSを通じてワラス在住の日本人夫妻とつながり、ご自宅に滞在させていただくことになった。

「ぼくの学校は世界中」番外記 第9回~【子連れ世界一周】
※ 約2週間お世話になったIさんご夫婦宅

マンションの屋上に案内され、目の前に広がったのは、青空を背にそびえる6000メートル級の白銀の峰々 -ブランカ山群。街中から世界遺産の雪山を望む光景に、言葉を失った。

「ぼくの学校は世界中」番外記 第9回~【子連れ世界一周】
※ 滞在先屋上から望む街並みとアンデスの山々

高地順応を経て、ワスカラン国立公園へ。標高4200メートルのパロン湖は、魔法のようなターコイズブルーに輝き、さらに4650メートルまで登ると、眼下にはヤンガヌコ谷、正面にはペルー最高峰ワスカラン。息をのむほどの大自然が広がっていた。

「一緒に来られて本当に良かった。みんな元気じゃなきゃ来られないから。人生一度きりだからね」

そう語る妻の頬には涙がつたっていた。家族全員が健康で、タイミングとご縁が重ならなければ、決して見られなかった景色だった。

「ぼくの学校は世界中」番外記 第9回~【子連れ世界一周】
※ 標高4,500m地点からの絶景

ペルー滞在中の9月、次男は5歳の誕生日を迎えた。世界遺産マチュピチュで迎えたその朝は、雨と霧に包まれていたが、雲の合間から現れた遺跡は息をのむほど神秘的だった。息子たちは「ラピュタみたい!」と目を輝かせ、見晴らし台で家族みんなでバースデーソングを歌った。やがて雲が晴れ、ワイナピチュの峰が姿を現す。その景色を共有できたことが、何よりの贈り物だった。

「ぼくの学校は世界中」番外記 第9回~【子連れ世界一周】
※ マチュピチュで5歳の誕生日を迎えた次男

まさかの強制送!?さらなるトラブル!?

そして10月、ペルーでの滞在を終え、愛車の待つコロンビアへ戻ろうとした私たちは、入国審査で「入国できない」と告げられる。年間滞在日数180日の上限に達していたのだ。ボゴタ国際空港に15時間以上足止めされた末、航空会社負担のチケットで、私たちは再びペルーへ戻ることになった。

それでも年が明ける頃、南米各国の陸路国境が2022年1月から再開されるという情報が出回り始めた。止まっていたキャンピングカー旅が、ようやく再開できるかもしれない。そんな期待を胸に、私たちは再びコロンビアへ向かった。

半年近く離れていた愛車との再会。しかし直後、今度は車上荒らしに遭い、ドアが壊され、約20万円相当の物が失われていた。それでも思う。命に関わることがなかっただけで十分だ、と。

旅はトラブルの連続だが、家族が元気なら、どんなことでも乗り越えられる。予定通りには進まなくても、その都度立ち止まり、考え、また歩き出す。こうして私たちは、旅とともに少しずつ強くなっていった。

次回は2年ぶりに陸路国境再開!南米をキャンピングカーで駆け抜ける。

■連載中の過去記事はこちら

【連載コラム】「ぼくの学校は世界中」番外記 第9回|キャンナビ
【連載コラム】「ぼくの学校は世界中」番外記 第8回|キャンナビ
【連載コラム】「ぼくの学校は世界中」番外記 第7回|キャンナビ
【連載コラム】「ぼくの学校は世界中」番外記 第6回|キャンナビ
【連載コラム】「ぼくの学校は世界中」番外記 第5回|キャンナビ
【連載コラム】「ぼくの学校は世界中」番外記 第4回|キャンナビ
【連載コラム】「ぼくの学校は世界中」番外記 第3回| キャンナビ
【連載コラム】「ぼくの学校は世界中」番外記 第2回 | キャンナビ
【連載コラム】「ぼくの学校は世界中」番外記 第1回 | キャンナビ