「夏はやっぱり川遊び!」トヨタ白川郷自然學校『インタープリター通信』8月号より

2019年9月1日

ジリジリと日差しが照りつける暑い日が続いていますが、皆さんはどのように過ごしていますか。冷房の効いた涼しい部屋の中でのんびりと過ごす日もあれば、遠くへ足を運んで海や山でアウトドアレジャーを楽しむなど、様々な過ごし方があるかと思います。

私は先日、白川村のとある場所で川遊びをしてきました。雪解け水で澄んだ清らかな川では、足を入れてしばらくするとジンジンとしびれるような冷たさが、火照った身体を冷ましてくれます。

「綺麗な川で遊び場所を探しながら上流へ向かいます」

皆さんは沢登りという言葉を聞いたことがあるでしょうか。これは、昔からある登山の手法の1つです。登山というと、整備された登山道を歩いて山頂まで登ることが一般的です。しかし、こちらは地図を読み、登山道のない沢沿いを、その場の環境から自分で登る場所を探していくやや上級者向けの登山方法です。場所によっては大きな滝や、両側を岩で囲まれた谷を越えていく難所もあり、専用の装備と技術が必要です。一般の登山道とは違った、自然そのものがつくり上げた壮大な風景や、冒険心を味わうことができます。そんな沢登りは、暑い日に涼みながらできる夏限定の登山として親しまれています。

私が出かけた川遊びは、先に話した山頂を目指すような沢登りではなく、遊びながら下流から上流を目指す程度のものです。大きな滝を越えるような難所がほとんどない場所を選んでいますが、安全のために、ウェットスーツ、ヘルメット、ライフジャケットを装着しました。途中、まるでプールのような、川底に足がつかないほどの深い場所を見つけると、私は迷わず飛び込んでしまいます。近くの岩から飛び込み、ザブンと全身が水に浸かるように遊ぶのは、大人になった今でも格別です。他にも流れが急な場所で天然ウォータースライダーを楽しんたり、流れに逆らって泳いでみるなど、途中で楽しめるポイントを探しながら、どの様にして遊ぶか自分で考え、進んでいくのも一興です。まさに自然の中に飛び込んでいるというこの感覚はたまりません。

「水面へジャンプ」

川遊びと一言で言っても、環境によって遊び方は大きく変わってきます。皆さんが生活している街を流れる川でも楽しい遊び方があるかと思います。しかし、令和元年のこの夏は、少し足を延ばして、自然に心を満たされる源流部での川遊びへ出かけてみてはいかがでしょうか。


<インタープリタープロフィール>

西岡 弘恭(にしおか こうすけ)

愛知県出身。高校卒業後は工場勤務の会社員だったが、趣味の登山がきっかけで、自然と関わることができる仕事をするために専門学校へ。その後、豊かな自然に囲まれたトヨタ白川郷自然學校へ入職。主にアクティビティ運営を担当。

(オートキャンプ 2019年8月号より転載)
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