近年、一大ブームとなっている「ソロキャンプ」。世の中の動きが読み取れるGoogleトレンドを見てみると、ほんの10年前にはほとんど検索されていなかったソロキャンプですが、2017年頃からじわじわと注目を集め始め、2020年には流行語大賞に選ばれるまでとなりました。
ここ数年で増えてきたYouTuberさんの活躍、キャンプを題材にした漫画のヒット、テレビや雑誌などのメディア露出が大きく影響しているためでしょう。
本記事では、これからソロキャンプを始めたいと思っている初心者の方へ、その魅力やおすすめ道具、注意すべき事などをご紹介します。
■ソロキャンプの魅力とは
ソロキャンプの一番の魅力は、なんといってもその圧倒的な自由度の高さです。ファミリーキャンプですと、家族と時間を合わせたり、食事の好みを合わせたりと何かと気を使うでしょうし、道具もグループ用の大きなサイズのものを用意し、設営から撤収までしなければなりません。
ソロキャンプであれば、日程や泊まるキャンプ場の選定、使用する道具やキャンプ飯など全ての事を誰にも気を使うことなく、自分が好きなようにし放題です。キャンプ中は、焚き火をしても良いですし、食事作りに熱中してもよし、もしくは何もせずにただゴロゴロ過ごしても誰にも何も言われません。
大自然の中で、お気に入りのキャンプギアに囲まれながら好きなことをして過ごす自分だけの時間は、非日常感を味わえる最高の自由でしょう。
その一方で”全ての行動は自分の責任”という事を忘れてはいけません。自由だからといって他人に迷惑をかけるなんて言語道断。何か忘れ物をしても誰も助けてはくれませんし、強風や突然の豪雨などのアクシデントにも一人で対応しなければなりません。
複数名であれば、作業の役割を分担して協力し合うことができますが、ソロキャンプはたったひとりで、自らの責任のもと行動していく必要があります。
■ソロキャンプにおすすめの道具
ここからはキャンプ歴4年目の私が実際に使用しているソロキャンプ道具をご紹介します。テントやシュラフ、テーブルやチェアなど基本的なものに加えて、あると便利なものを3つピックアップしました。
近頃、爆発的な人気を博している小型LEDランタンです。手のひらサイズでコンパクト、ワンタッチで点灯し、USBコネクタ付きのため充電時はケーブルいらず。そして安価。テント内を上から照らすのはもちろん、懐中電灯のように直線的な光も発せられるので夜間にトイレに行く際などに重宝します。さまざまなアウトドアブランドから周辺パーツが販売されていて、色のカバーを装着したり革紐をつけて首から下げたりと自分好みに様々なカスタマイズができるのも魅力です。人気ゆえに入手困難のため、もし店頭で見つけたら間違いなく買いです!
焚き火のためにキャンプに行ってると言っても過言ではないほど焚き火好きなため、焚き火道具には特にこだわりを持っています。薪を割る際の台として、以前はよくある丸太タイプのものを使っていましたが、このタイプはかさばる上に重たく、ソロキャンプには不向き…。耐久性に不安もあり、誤って割ってしまい薪そのものになってしまうこともしばしば。その点、この薪割り台は、薄くて軽量コンパクト、どんなに使っても決して割れることはなく、私のソロキャンプ道具に一軍入りしました。コップなどを置く簡易的なテーブルとしても使えるので重宝しています。
焚き火後の処理として、火消し壺は炭を入れて蓋をすれば消火できるので便利なのですが、重いしかさ張るのが難点でした…。こちらはなんと袋状の火消し壺、つまり火消し袋なのです。袋状なので、小さくたたんでリュックの隙間にスッと入ります。不燃性、耐熱性に優れているのでこれがあれば灰をキャンプ場の灰捨て場まで簡単に運べますし、あるいは炭を次回用に持ち帰る事も可能です。
■ソロキャンプならではの注意点、トラブル対策
ソロキャンプは何をするのも一人ですので、防犯上の危険性、トラブルのリスクはグループキャンプと比べて格段にあがります。突然の悪天候、体調不良や怪我、盗難などのトラブル対処も全て自分で行わなければなりません。
ただ、事前準備である程度そのリスクは下げられると思います。以下の対処方法を是非参考にしてみてください。
- 管理人常駐のキャンプ場を選ぶ
- スマホの電波が届くキャンプ場を選ぶ
- SNSなどでリアルタイムに居場所がわかるような投稿をしない
- テントに鍵をかける
- サイトから離れる際は、高価な道具は持参、もしくは車へ
- 高価な道具をそもそも使わない
- 女性キャンパーであれば、前室に男物の靴を置いておく
- 人感センサーライトを活用する
その他に、周りのキャンパーさんへ事前に挨拶をしておいたり、キャンプ場の管理人さんとも事前にコミュニケーションをとっておくと、トラブル発生時に相談できるかもしれません。天気や気温などの最新情報も、こまめにチェックしておきましょう。
■それでもやっぱりソロキャンプは楽しい!
これまでグループキャンプのみをしてきた方にとって、ソロキャンプはちょっとした挑戦、冒険になるかもしれません。設営や撤収などを全て一人で行わなければならないですし、ソロだからこそのトラブルに巻き込まれる事もあるでしょう。
それでもソロキャンプの開放感や自由度、一人だからこそより一層感じる事のできる自然の音など、その良さは一度体験したら病みつきになること間違いなしです。忙しい日々から開放され、自分と向き合える貴重な時間を是非お過ごしください!
執筆:キャンプたけし
- 日本オートキャンプ協会公認インストラクター
- 日本初のキャンプ記録管理サービス「キャンログ」運営
- 日本一のキャンプオープンチャット「キャンプ大好きオプチャ」管理人
- 詳細プロフィール:https://camplog.in/takeshi