昨年から名古屋にある栄中日文化センターの生涯学習講座として、「ソロキャンプ」を教えている。全3回の授業で今年の夏で3期生まで受講した。
一期生あたりだいたい30から40人ほどなのでもう100人ほどこの授業を受けていることになる。年齢層は30代から70代ほどで男女比率は、若干女性が多い。キャンプ自体をしたことがない人や、ファミリーキャンプはしたもののソロキャンプもしてみたいといった中級者レベルの人もいる。1回目の授業ではソロキャンプの魅力と実際にわたしが(バックパック1つで行く)キャンプの装備を実際見てもらう。2回目の授業では実際キャンプに行くときに大切な「キャンプ場の選び方」と簡単なキャンプのルールとマナーのお話(3回目は実施編といって自立テントと非自立テントを教室内で設営をして実際の軽さや小ささ違いなどを見てもらい、あとはタイムスケジュール感や細かやなところを見てもらうため、オリジナルで作ったキャンプ動画を見てもらう流れだ。果たしてそれで本当にキャンプができるのだろうか。正直、たった3回の授業でキャンプができるかと言ったら決してそうではないだろう。
そこで任意で、今までの受講生たちを集めて「ソロキャンプ練習会」をすることにした。わたしの授業を聞いて諦めた人も、自分で挑戦している人もいるかもしれないけれど、道具を揃えたものの「あと一歩」が踏み出せない人たちに向けての「あと一歩教室」をすることにした。告知が遅れたのと、名古屋から3時間ほどかかるに関わらず13人ほど集まった。練習会の人数としてはちょうどいい数だ。みんな颯爽と(一部はお手伝いしながら)自分らのテントをたてる。予想以上に暑すぎたのでタープをせっせと設営していると「タープの建て方もみたいです!」と人が集まり、テントの手伝いをしてると「それも見ます!」と人が集まる。焚き火の付け方の一例の流れやちょっとだけソロキャンプ料理の講習もした。
長野の宮田村にしたのは、わたしがよく知っている地域で村にはオススメのお豆腐屋さんやウイスキー蒸留所などがある。キャンプ場だけでなくその地域も一緒に紹介できるようにと役場の人にも協力してもらった。帰りはなぜかわたしが生徒さんたちに見送られる形で、そのあともみんながそれぞれ連絡先を交換して村の観光を楽しんだと報告があった。「あぁ、これで大丈夫かな」と思う。ソロキャンプだからと言って完全に一人ではじめる必要なんてないのだ。一歩を一緒に踏み出せる仲間がいるけど、ソロキャンプ。そんな練習会、またやりたいなと思う。
コラムニスト紹介:こいしゆうか
ゆるいエッセイマンガなどを得意とする女子キャ ンプコーディネーター/イラストレーター
(オートキャンプ 2019年10月号 こいしゆうかの『女子キャンプ日記』より転載)
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