ヒトとココロとが触れ合うキャンプ~『女子キャンプ日記~2月号より』

2020年2月13日

1月初旬、和歌山リゾート大島にて「FUYUCAMP」というイベントをしてきました。
キャンプの仕事仲間集団8人たちが東京から向かいます。ハイパーキャンプクリエイターの佐久間さんがキャンプ場オーナーの「もっと地元の人に冬にキャンプを楽しめることを知ってほしいので力を貸してほしい」という声を受け、わたしもその仲間に入れてもらいました。東京から和歌山県串本町はおおよそ車で10時間ほど。乗ってるだけでも疲労しそうな距離ですが、キャンプ場の近くまでクルマで走らせると見えてくるのは、キラキラと光る本州最南端の海。本当にきれいで一気に気持ちも体力も復活するのです。

今年のテーマは「マグロのカマ焼き」。串本町の名物マグロを美味しくいただきながらキャンプをしよう!というものでした。他にも仲間のガレージブランドの物販、夜ごはん販売、一夜干しワークショップなどなど。少人数の8人にしては充実?したコンテンツを揃えます。キャンプ場のお客さんはほぼ満員!これはイベント効果というより冬キャンプ自体の流行りもあるかもしれません。 大きなドームテントやサーカスみたいなテントを設営したら、イベントのはじまり! ポツポツと見知った顔もはじめましての人もイベントブースに顔をだしてくれます。わたしがやっていたのは昼間の「らくやきワークショップ」。熱を加えるとガラスや陶器に定着できるペンを使ってシェラカップにお絵描きをするワークショップです。リゾート大島でレンタルしているこたつに入りながらみんなでわいわいお絵描き。なんともゆったりとした時間に心がゆるみます。

お絵かきをしたシェラカップをグリルで熱して冷まし完成したものをうれしそうに受け取っていた女の子が、夜にまたそのシェラカップを持ってご飯を買いに来てくれたのがとても印象的でした。今回のイベントではなるべく使い捨ての皿とコップを使わないことを目標にしていたので、用意していた使い捨ての皿はほぼ使わないで済んだこと、お皿持参してくださいということにたいして一切のクレームがなかったことも含めていい空気感のイベントだなと感じました。それはわたしたちが作った空気ではなく、元々キャンプ場を使用しているお客さんや和歌山の土地のものなのだと思います。

最終日、撤収しているわたしたちのところにまた別の小さな女の子がトコトコやってきて「楽しかったです!ありがとうございました!」とお礼を言いに来てくれました。
「わたしたちが東京から面白いモノと素敵な何かを運んできたように見えるけど、実はそれをもらっているのは、わたしたちなんだよなぁ」と帰路の中、いつまでもキラキラと美しい和歌山の海を見て思うのです。


コラムニスト紹介:こいしゆうか
ゆるいエ ッセイマンガなどを得意とする女子キャ ンプコーディネーター/イラストレーター

(オートキャンプ 2020年2月号 こいしゆうかの『女子キャンプ日記』より転載)
無断転載禁止 執筆者の許可を得て転載しているものです。


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