一番おいしいキャンプ料理~『女子キャンプ日記~3月号より』

2020年3月12日

キャンプのご飯というと何を思い浮かべるだろう。カレー、BBQは定番だけど、キャンプをよくする人ならばダッチオーブンで煮込み料理やおつまみに簡単な燻製などが頭に浮かぶかもしれない。一般的にキャンプで料理をするのは不便そうに思われるが、焚き火料理などキャンプだからこそできることも多い。料理をメインに作ることを楽しんでいるキャンパーも少なくないだろう。

  2月のふと空いた隙間を狙って先日ニュージーランドに行ってきた。実は去年も行ってきたのだが、その時にとても気に入った街と気になった山があったので、もう一度その国に今度は1人で行ってみることにした。

ひとり旅というわけでなく現地でワーキングホリデーをしている知人の女の子と一緒にキャンプ旅をすることにした。その子は調理師免許を持ち、日本ではキャンプのイベントに出店をしたりなどキャンプも好きで絵も好きな子だった。現地では2人でのんびりとキャンプをしながらスケッチにその風景を自由に描いて見せ合いっこなんかをしたり、テントを担いで山歩きをしながら好きな画家や映画の話をしたり、よく好みが合った。中でも合ったのは食の好み。 キャンプでは彼女がご飯を作ってくれた。

旅のようなキャンプなのでダッチオーブンなどの調理器具はないけれども、ラム肉のステーキ、ボロネーゼ、サーモンクリームパスタなどをワンバーナーで手軽にささっと作り、どれもおいしかった。なかでも、ベーコンとセロリといろんな野菜をきざみこんで塩だけで味を整えたスープがまろやかでいろんな味が口の中に広がり、お腹がいっぱいでもまた一口と食べてしまうほどだった。食の好みがあう人との旅はうれしく、おいしい。なのでスーパーに買い物に行くのでさえ楽しかった。ニュージーランドは農業や牧畜も盛んで、野菜もフルーツも肉も全て国産品が多い。農薬をあまり使っていなく自然や人に優しいものが多いと聞いた。そのため旬のものがしっかりとスーパーに並ぶ。一番感動したのは、ビーツとニンニクとひよこ豆のディップ(余計な添加物が入っていない自然の味)。それにカットしたニンジンやセロリをつけたものが非常においしく、シャルドネワインと一緒にウサギのようにずっとポリポリ食べていた。

  ふとわたしは日本でのキャンプを思い出した。夏の野沢のキャンプ場で道の駅で買った野菜をただ塩茹でするだけの料理をしていた。ズッキーニ、ピーマン、オクラを塩茹ですると野菜の甘みが強調されてそれだけでおいしい。健康的な水と土を感じられるといっても大げさではないだろう。南半球の広々とした吸い込まれるような空の下で野菜をディップして彼女とニコニコ笑い合いながら、日本の突き抜けるような濃く青い空の下で食べた野菜とその光景がふと頭によぎったのだ。


コラムニスト紹介:こいしゆうか
ゆるいエ ッセイマンガなどを得意とする女子キャ ンプコーディネーター/イラストレーター

(オートキャンプ 2020年3月号 こいしゆうかの『女子キャンプ日記』より転載)
無断転載禁止 執筆者の許可を得て転載しているものです。


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