「雪上ランチのすゝめ」トヨタ白川郷自然學校『インタープリター通信』12月号より

2019年12月13日

12月に入り、白川郷では雪が舞う季節がやってきました。平均で3m近く積もる特別豪雪地帯であるこの場所では、春までの数か月間真っ白な世界がはじまります。寒いとついつい温かい家の中に籠りがちですが、みなさんはいかがでしょうか。こたつやストーブで暖まるのもこの時期ならではの楽しみ方ですが、豪雪地帯ならではの、いつものカップラーメンが数倍、いや数十倍おいしくなる食べ方をご紹介します。

それは雪上ランチです。晴れた日に景色の良いお気に入りのポイントで、食べるのは格別です。

え?それだけ?と思われる方もいるかもしれません。しかし雪があれば発想しだいで可能性は無限大。大きなダイニングテーブルから、まるで王様の座るような大きなイス、好みの角度のリクライニングチェアだって自由自在です。

この写真を見てください。絶妙なリクライニング具合で食後の至福のひと時をかみしめています。見上げれば青い空に白い雲、遠くに見えるのは壮大な雪山と、私にとってはどんな三ツ星レストランよりも贅沢に感じられます。

そんなにオススメするならやってみようかな…と思われる方が出てきたのではないでしょうか。それではまず、お気に入りの絶景ポイントを見つけましょう。パッとひらけた雪原が理想ですが、座る位置から見える方向だけ限定すれば建物の近くなどでもそこは一等地です。

次に、完成形をイメージしましょう。どんな大きさのテーブルを作ろうか、一緒に作る人との共有も大切です。いきなり大きなものを作ろうとすると大変なので、イメージの中で必須なものから少しずつ発展させていくのが堅実です。

そこまでいけば、あとは作るだけ。独創的なものを満足いくまで作り込むのも良し、円形に掘り下げるだけの簡単なテーブルとイスでも十分です。

さらに雪だるまを作って飾ってみたり、周りの木の実や葉っぱでテーブルコーディネートを楽しむのも良いのではないでしょうか。

雪=寒いというイメージが多いかと思いますが、太陽が出て風が弱ければそんなに寒くなく、作っているときは汗ばむくらいです。雪上キャンプまではハードルが高そうでちょっと…という方にもファーストステップとしてオススメです。ぜひ雪上ランチを楽しんでみてはいかがでしょうか。それでは真っ白な世界の白川郷でお待ちしています。


<インタープリタープロフィール>

佐藤 翔太郎(さとう しょうたろう)

茨城県出身。自然の中で過ごす楽しさを広く伝えたいと思いトヨタ白川郷自然學校へ。秋はキノコ、冬はBCスキー、春からはテンカラ釣りと四季折々の白川郷の自然を満喫中。

(オートキャンプ 2019年12月号より転載)
無断転載禁止 執筆者の許可を得て転載しているものです。


トヨタ白川郷自然學校『インタープリター通信』バックナンバー

「“言葉”の秋」トヨタ白川郷自然學校『インタープリター通信』10月号より