「熱中症」 トヨタ白川郷自然學校『インタープリター通信』6月号

2020年6月2日

5月に入り、全国各地で初夏のような暑さが続いているようですが、ここ白川郷でも日に日に気温が上がっていることを感じます。テレビでは、長期間の外出自粛生活で屋外の暑さに体が慣れていない人が多いと予測され、今年は熱中症患者が増えるのではないかというニュースが報じられていました。
森や山を案内する私たちとしては、自分自身はもちろんのこと、お客様の安全を守るためにも、これからの時期特に気を配らねばならない点です。今日は本格的な夏に突入する前に、今一度熱中症について考えてみたいと思います。


厚生労働省によると、熱中症は、「高温多湿な環境下において、体内の水分及び塩分(ナトリウムなど)のバランスが崩れたり、体内の調整機能が破綻するなどして発症する障害の総称」とされ、重症度に応じⅠ度~Ⅲ度の3段階に分けて定義されています。Ⅰ度は痙攣や立ちくらみ、Ⅱ度は頭痛や吐き気、倦怠感を覚える状態です。聞いたことがある方も多いと思いますが、”熱疲労”はこのⅡ度の段階のことを指しています。そしてⅢ度になると意識が朦朧として、真っ直ぐ歩けなかったり、呼びかけや外界からの刺激に対する反応がおかしい状態になります。

日頃から多くの方が、水分と塩分のこまめな補給や、涼しい場所で休憩するなどの対策をして、発症しないように気を付けていらっしゃることと思います。自然學校のプログラムでも、こまめな休憩はもちろんのこと、猛暑の日は歩く距離を短くしたり、日陰が多いルートを選択したり、持病持ちの方やご高齢の方を先頭にして、その方たちにとって無理のないペースで歩いたり、と様々な対策を講じています。ここで大事なことは、その次のⅡ度の状態には決してならないように、一人ひとりの疲労のサインを見逃さないように注意することだと思います。

先の新型コロナウイルス感染症の影響で、今後もマスクが手放せない状態が続く可能性は高いと思われます。マスクをしていると熱を閉じ込めてしまうほか、喉の渇きに気付きづらいデメリットがあります。加えて、多くの運動不足の方が外で活動されることが考えられます。高温多湿な上に、これらの不安要素が積み重なることは悩ましいことですが、体温の高い状態が続かないように、ということを強く意識して、これからのシーズンに臨む所存です。

夏の暑さが今年もやってきます。自分のためにも誰かのためにも、ちょっとした違和感や体調の変化に互いに気付き気遣いあうことで、症状を未然に防げます。みなさん無事に夏を乗り切りましょう!


<インタープリタープロフィール>

浅田 開人(あさだ かいと)
埼玉県所沢市出身。学生時代は山、川、海をフィールドに様々なアウトドアアクティビティを経験。外で遊ぶことの楽しさや自然の素晴らしさを伝えたいとの想いから、2017年4月にトヨタ白川郷自然學校へ入職。村ライフ満喫中。

無断転載禁止 執筆者の許可を得て転載しているものです。


トヨタ白川郷自然學校『インタープリター通信』バックナンバー

「夕暮れ時はご用心」 トヨタ白川郷自然學校『インタープリター通信』4月号

「雪上ランチのすゝめ」トヨタ白川郷自然學校『インタープリター通信』12月号より
「“言葉”の秋」トヨタ白川郷自然學校『インタープリター通信』10月号より