もんじゃはキャンプに相性がいい話 ~こいしゆうかのキャンプごと 10月~

2020年10月11日

今年はイベントがほとんど中止になったので、毎月コンスタントに友人と女子キャンプをしている。
こんなに遊べるのは本当に数年ぶり。いろいろと初心にかえる年でもあった。
当日、友人らといつものキャンプ場で落ち合い一泊。
ものすごく楽しくて、残れるメンバーともう一泊することになった。
天気はいまいち。1日雨予報。
しかし、大きなタープ下でのんびりすごすセットは完璧だ。雨キャンプはしとしとくらいの雨だったらちょうどいい。
タープに落ちる雨音を聴きながらコットで昼寝する時間がわたしは好きだ。

だけど、せっかくの女子キャンプ。
一人だったら黙々と映画を見たり、漫画を見てひきこもりキャンプを謳歌するのだけどもせっかく三人いるのだから一緒に何かしたいよな。
ソロキャンプスタイルなわたしたちだけども、焚き火は一緒に囲みたい。

ふと思いついた。
「もんじゃ、やろう!!!!」

わたしの閃きにメンバーはあまりピンときていないようだった。
それはそうだ。一人は新潟県出身。もう一人は奄美大島出身。そしてわたしは下町育ち。
もんじゃは小学校のときから身近にある。そしてわたしが唯一得意(?)とする料理だ。

わたしの興奮とは裏腹に二人は渋々買い物についてきた。

キャベツと豚肉、他にもエビ、ベビースター、チーズ、明太子なんかを買い物かごにいれ、もんじゃの粉6人前分ほど購入。
「多すぎじゃない!?」と言われたけれども、頑なに「これくらいはいける!」と断言。
粉コーナーにもんじゃを食べるスプーンのようなヘラもちょうど3つ売っていてテンションは最高潮になる。

キャンプ場に戻って、友人に炭火を作ってもらっている間にわたしは鉄板とヘラとキャベツの千切りを(ほぼ一玉)用意。
いつもだったら野菜のカットなんて面倒な工程だけどももんじゃになると別だ。
ただ無心に包丁でキャベツを刻む。

炭火の上に鉄板を乗せて、さっそくもんじゃBBQが開始だ。
炭火でもんじゃなんてわたしもやったことがない。
しとしと降る雨で体が冷え込むはずなのに、炭火のおかげでぽかぽか暖かい。
二人に見守られながらわたしは汗を流しながらもんじゃを焼いた。

まずは、明太子とチーズとベビースターのもんじゃ。

「これ本当にできてるの…?」
出来上がりはなんだかわからないうねうねしている状態だから、もんじゃに不慣れな二人は不安そうだった。

「おこげのところもおいしいから!食べて!」

疑いながら食べる二人。いきおいよくビールでかけこむ。

気づいたら二人前がすっかりなくなり、ビールの空き缶も増えていた。

「もんじゃ最高!!!」
「重くないからすごい食べられるー!ビールがおいしい!」

お二人もご満悦だ。

エビをいれたもんじゃや、全部のせなんかもやってみる。

月島では高級もんじゃとして高級な食材を入れるメニューなんかがあるけれども、実際はシンプルなものが一番おいしい。

しかも、外で炭火でやるもんじゃはなぜか一段にもっとおいしい。
必死に鉄板に向き合ってひたすらもんじゃを食べる女たちの図を側から想像すると少しシュールだ。

あっというまに平らげて、ポカポカになったころ気づくと、雨がすっかりやんでいた。

キャンプでもんじゃ、流行らないかなぁ?


コラムニスト紹介:こいしゆうか
ゆるいエ ッセイマンガなどを得意とする女子キャ ンプコーディネーター/イラストレーター

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