「雪国で安全に活動するために」トヨタ白川郷自然學校『インタープリター通信』2月号

2021年2月2日

先月号に引き続き、今回も雪のお話です。今シーズンは寒波の影響により、積雪が少ない地域でも、雪に触れることが多いのではないでしょうか。トヨタ白川郷自然學校周辺は大寒に入る前の1月10日、既に積雪3mを超えていました。ふわふわの雪に倒れ込んでみたり、雪洞を掘ってみたり、ソリで思いっきり滑ったりなど、とことん雪遊びをお楽しみいただける世界が広がっています。そんな雪国で安全に活動するために、私達が気にしていることを3つ紹介します。

1つ目は落とし物防止です。小物をポケットに入れる場合は必ず、ジッパーなどで閉まる所へ入れています。ふわふわの雪の上にスマートフォンや鍵などを落とすと、スッと消えるように雪の中に吸い込まれます。落とす瞬間を見ていれば発見できますが、いつ、どこで落としたか分からない時は、春の雪解けまで見つかりません。

2つ目はスコップの紛失防止です。使わない時は必ず雪面に挿し、立てています。日々の除雪や雪遊びの時、雪面に寝かせて置くと危険です。つまずいて転ぶだけでなく、スコップの端を踏みつけて跳ね上がり、体に当たることがあります。また回収を忘れたまま雪が積り、その上に子どもが倒れ込む、車で踏んでパンクする、などの事故にも繋がります。

3つ目は日焼け防止です。雪が光を強く反射し、皮膚と目へのダメージが大きくなります。日焼け止めの使用と、サングラスやゴーグルを着用すると快適に過ごせます。サングラスは斜め方向からの光を遮断する偏光レンズタイプがオススメで、私も愛用しています。特に注意したいのは曇りの日で、さほど眩しさを感じないため油断しがちですが、想像以上に日焼けしてしまいます。

走行中に雪がフロントガラスを塞いでしまうので必ず落としましょう

雪国に車でお越しの際は冬装備をお忘れなく。白川村は雪が降ると毎日除雪車が入るため、スタッドレスタイヤを装着すれば運転できる日がほとんどです。しかし大雪が続いた時や、最高気温が-3℃を下回る日は路面が凍結し、四輪駆動車であってもタイヤチェーンが必要な時があります。また白川村では一晩で50cm以上の雪が積もることもあります。車にスコップやスノーブラシを積んでおくと便利です。事前に気象情報を確認して必要な装備を整え、安全に雪国にお越し下さい。


<インタープリタープロフィール>

旭 祐貴(あさひ ゆうき)
岐阜県郡上市出身。大学では動物生態学・行動学を学び、その後リバーガイドやスキーパトロールを経て2017年4月からトヨタ白川郷自然学校に勤務。ラフトボートやトレッキング、ツリークライミングなど、様々な野外アクティビティを担当。

無断転載禁止 執筆者の許可を得て転載しているものです。


トヨタ白川郷自然學校『インタープリター通信』バックナンバー

「スズメバチの巣は隠れている」トヨタ白川郷自然學校『インタープリター通信』10月号
「急な天候の変化にご用心」トヨタ白川郷自然學校『インタープリター通信』8月号
「熱中症」 トヨタ白川郷自然學校『インタープリター通信』6月号
「夕暮れ時はご用心」 トヨタ白川郷自然學校『インタープリター通信』4月号

「雪上ランチのすゝめ」トヨタ白川郷自然學校『インタープリター通信』12月号より
「“言葉”の秋」トヨタ白川郷自然學校『インタープリター通信』10月号より