2020年から2021年。 キャンプと暮らしを通した振り返り。 ~こいしゆうかのキャンプごと 1月~

2021年1月12日

2020年から2021年。
キャンプと暮らしを通した振り返り。

 

2021年初の記事です。本年もよろしくお願いします。
今年最初の記事なので、前回の続きはまた次回に回して昨年を振り返りたいと思います。

 

2020年は見直す時間

 

思えば2020年は世界にとっても激動でした。コロナのこともあり、ソーシャルディスタンスをとれる遊びとして一人キャンプが注目されました。

昨年のわたしの話ですが、”ひとりキャンプ”についてラジオやテレビなどで話す機会を与えていただいていましたが、このブームでその仕事も少し落ち着き、ぽっかり空いた時間ができました。

少し役目を終えたかなという安堵感と、ほんのりの寂しさと、次は何をしようかというワクワクした気持ちになった年でもありました。

一昨年まで毎週末のようにイベントがありましたが、昨年はその空いた時間で、キャンプに行く機会も増えました。女子キャンプ友達とも毎月のように遊ぶことができ

「こんなに週末一緒に遊べるの、3年ぶりくらいじゃない?」なんて言われてました。

それを聞いて、「あぁ、遊べてなかったな」と感じました。

 

今年は日本の自然をよく見れた年になりました。
ビルに囲まれた東京よりも、山や里のほうが季節の移り変わりを目で感じることができます。

ありがたいことにわたしは東京に住みながら、キャンプを通してその自然や季節を1年中感じられることができました。

 

また、家での軽い筋トレ、ストレッチ、ヨガを毎日はじめました。

運動をするのは嫌いじゃなかったのですが自粛期間でジムにも行けなくなり、家でできる運動を少し勉強をしたことで、より運動が身近になりました。

三重県の1週間以上のキャンプ旅でも朝にヨガや筋トレを取り入れることで、長距離旅の体がいつもより楽になっていることに気づきました。

 

定期的にしっかり休むこと、友達とたわいもない話をすること、自然を積極的に取り入れること、丁寧なご飯をいただくこと、旅をすること、運動をすること。

心身ともに健康に過ごすことは、当たり前のようでいて実は少しだけ手間と時間が必要なんだなと改めて思います。

 

また、少しでも深い自然のなかに定期的に足を踏み入れることの重要性は今後より見直されるのではないかと私は思っています。

 

道徳的、持続可能なアウトドアとキャンプ

 

今年の目標は、「自然のなかで遊ぶこと、その自然に対して返せるように何かしら動くこと」です。

最近、よく耳にする「エシカル」「サスティナブル」「フェアトレード」という言葉。
わたしはこれをキャンプにも取り入れることができないかと考えています。

例えば、このブームに応じて安価な(もしくは安価でどこかで見たようなデザインの)キャンプ道具がいろんなところで見受けられるようになりました。安いことは大変うれしいことですが、しかしそのモノは誰の手で、どのような燃料を使ってわたしたちのところに届くのでしょうか。

また、ものづくりを大切にする人たちがキャンプ道具を作る背景や想いまでを見れたら、少し高くてもその製品への愛着がより湧いたりしないでしょうか。

その材料が国内の林業を活性させるモノであったら、わたしたちは買うことでエシカルに参加できるとも言えます。森と林業と消費のバランスが取れれば持続可能性も見えてきます。

またもともとキャンプ道具はとても高価なものでした。なので、それらを買うときじっくり吟味をし、買った後も大事にメンテナンスをして、何十年も使うという印象です。

たくさん買えないからこそ吟味をして大事にする。使わなくなったものは次の人に明け渡す。それを表すかのように、コールマンのガソリンランタンは、しっかりメンテナンスすれば100年も使えると言われています。

そして、もともとキャンプは「エシカル」な遊びだったともいえます。

今、文明社会らしくムーブメントによる大量生産を感じられるアウトドア業界。

わたしも含め、わたしたちがそれにどう向き合うかが問われているのでは、と感じています。

 

2019年の目標を思い出す

 

自分のことばかりですが、自分のコラムなので自由に書かせてもらいます。

ブログで書いた2019年の最後の日記では「女子キャンプという言葉を終わらす大切さ」を語りました。女性がキャンプをするのが当たり前な時代になる必要があるという意味です。

おそらくこの目標は、いずれ社会がそうさせてくれると思います。

ただ極端なことを言えばキャンプじゃなくてもいいんです。

山を登るでも、少し森林を歩きに行くでも、湖を見に行くでも。

冒頭でも言いましたが、少しでも深い自然のなかに定期的に足を踏み入れることは人間にとって、とても大切だとわたしは感じています。

 

いつもとは違う観光地をズレて「自然を歩く・過ごす」。その時間をもっと増えるライフスタイルが、わたしはより広まればいいなと思っています。

簡単に言うと遊びを通した自然の大切さみたいなものが、よりいろんな方にも共感してもらえるように。そしてその自然を一緒に考えていけるような仲間が増えるように、そんな動きをしていきたいなと思っています。


コラムニスト紹介:こいしゆうか
ゆるいエ ッセイマンガなどを得意とする女子キャ ンプコーディネーター/イラストレーター

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