10年一緒にキャンプをしている仲間の話~こいしゆうかのキャンプごと 7月~

2021年7月14日

わたしがはじめて「女子キャンプ」と名乗って、SNSで知らない子たちを集めて

個食個泊(自分のテントとごはんは自分でもってきてソロキャンプを一緒にしようという会)スタイルで

「女子キャンプ」をしてもう11年くらいになる。

数回だけ一緒にキャンプをして、遠くに離れてしまった人らも多いが、

なんやかんや同じ仲間で、今でも年に数回一緒にキャンプをしている。

10年も経てば、環境が変わって

結婚したり、子供ができたり、転職したり、いろいろある。

でも、焚き火を囲めばいつもと同じように変わらないような自分達がいるのだ。

まるでこどもに戻ったかのように。

わたしがキャンプをはじめたばかりのころ、

周りに誰も「自分のテントで自分でキャンプをする女の子」はいなかった。

もしくは、キャンプは一年に一度の大イベントみたいなようにされていた。

わたしはもっとキャンプが身近に、生活に溶け込めばいいなぁと思っていた。

「生活に溶け込む」とはいったい何かは具体的にはわからなかったけれども、

キャンプの荷物を最低限にしたり、「やらなきゃいけない」ことをなくすことで、ハードルをぐんと下げて、

「週末なにするー?」

「キャンプ!!」

っていう会話が普通の女の子に当たり前になっている世の中を目指して

普及活動をこっそりやってきたつもりだ。

そうしてここ2、3年ではその会話が当たり前になってきているのかなとも思う。(決してわたしの普及活動によってではないけども)

ただこれまで

わたしを支えてきてくれたのは、

変わらずおしゃれでもなんでもないキャンプをしてきた女子キャンプの仲間たちだ。

女子と言えるほどかわいい会話もしないし、

だからといって、井戸端会議ほどの会話の内容もない。

それぞれが「おいし〜」「さいこ〜」「たきび〜」と話しているだけのキャンプ。

彼女たちにとって、キャンプは本当の息抜きで日常からの脱出だ。

それを当たり前のように10年続けてきた。

暮らしにキャンプが馴染んでいるのだ。

彼女たちからふと漏れるように「やっぱキャンプ最高だなぁ」と聞くことがうれしい。

キャンプは、長年続けていくと、ふと飽きるときがある。

それは、毎回同じ場所か、道具か、内容なのか、なぜだかわからないけれども

ふと「当分キャンプはいいかな」と思うときが誰にしろあるかもしれない。

10年わたしたちが飽きもせずに(もしくは少し飽きたときがあっても)

一緒にキャンプができたのは、なんでだろうと考えた。

おそらく、

キャンプに縛られず、自由に、やってきたからだ。

(キャンプで出会ったけども、キャンプじゃない遊びもよくする)

気張らず、等身大で、飾らないからこそ

10年も一緒にいられて、火を囲んで笑い合える。

そんな仲間に出会えたのはキャンプがあったからだし、

そんなキャンプに縛られなかった、から。

なるほど、自分で考えて納得してしまった。

ずっと考えていた「キャンプが暮らしに溶け込む」の定義って、

案内そんなところなのかもしれない。


コラムニスト紹介:こいしゆうか
ゆるいエ ッセイマンガなどを得意とする女子キャ ンプコーディネーター/イラストレーター

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