「旅とキャンプとご飯と地酒(その2)」 ~こいしゆうかのキャンプごと 2月~

2021年2月13日

前回の続き

「旅とキャンプとご飯と地酒(その2)」

<三日目>

翌日はカラッと晴れてテントサイトから海が綺麗に見えた。

遅く起きてのんびりと朝ごはんをすます。

「朝はやっぱりお味噌汁だよねー」

軽い二日酔いには、やっぱりお味噌汁。美味しいお豆腐を地元のスーパーでゲットできたので、それもまた嬉しい。

メインはホットサンド。ご飯にお味噌汁じゃないところがキャンプっぽい。(しかしパンにもお味噌汁があうと思うのは私だけだろうか?)

 

トマトとチーズとハムとサラダを挟んだだけのシンプルなホットサンド。そのシンプルさがいちばん美味しい。

 

だいぶ遅くに撤収をして、ナツキャンプさんと解散し、私たちは次のキャンプ場を目指す。明後日には奈良のキャンプ場で開催されるイベントに仕事として行かなければならないので、少しでもそこに近づくつもりだ。

 

長距離移動を毎日する旅キャンプは、慌ただしい。朝、のんびりしてしまうと次のキャンプ場に着くのは夕方、なんてこともザラにある。近くのキャンプ場を転々とすればいいのだか、その一方で「もっと遠くに行きたい」という気持ちが駆り立てる。

 

キャンプもしたいけれども、もっと遠くに旅もしたいのだ。

三重県を海沿いに車を走らせると、気持ちがいい景色がずっと続く。左には海があり、右には山がある。そして海と山の間に、街がある。

 

豊かな環境に囲まれた生活を想像して、はぁとため息が漏れた。

 

そんな環境に相応しい名前の街を見つけた。「海山町」(みやまちょうと読む)。

その町から少し山に入った場所にあるのが「キャンプイン海山」というキャンプ場だ。

 

キャンプ場を目指していると見えてくる透明のような青いような川は、銚子川という。その川の綺麗さを象徴するかのように、川の上を流れるカヌーが、まるで空中に浮いているような写真がある。よくメディアにも出ていたので知っている人は多いかもしれない。

 

キャンプ場の目の前にもその川が流れている。冬場は川の水量が少なく、5月頃から水が増えるということだった。

キャンプ場のオーナーさんが、私のことを知っていてくれていろんなことをとても親切に教えてれた。(その有名な写真に写っているカヌーに乗っている人物がここのオーナーだということも!)

 

三重県の旅でいちばん思ったことは、人がとても優しいことだ。

ふと話しかけてくれる人やお店の人のさりげない一言に優しさを感じることが本当に多かった。

旅の運なのか、それともこの豊かな海と山が作る地域性なのかはわからない。

設営を済まして、ご飯にする。この度ではなるべく地元のものを食べて飲もうというのが目的だったので、街では3件ほどのスーパーを巡ったりした。

 

地酒があまり手に入らなかったのが残念だったけれども、いい海鮮ものがたくさんあった。

 

中でも、たこや白身魚(名前を忘れてしまった)をゆずと醤油でいただくカルパッチョが本当に美味しかった。ゆずの香りはなんでも美味しくしてしまう。

その日の夜も「美味しい美味しい」と言い合いながら、この旅を振り返りながら楽しんだ。

翌日の朝は、この旅で一番感動した伊勢うどんをいただく。実は伊勢神宮で人気店の伊勢うどん屋に行き、その味の虜になったのだ。

 

ふわふわのうどんは、ほかのうどんとは全く別物。今でも時々あれを食べたくなるが、東京だとあまりこのふわふわのうどんに出会えることは少ないなと思う。

旅の思い出の味となった。

 

美味しすぎたキャンプ旅は前半戦は一旦終了。

しかしもう少しだけこの旅は続きます。

 

そのお話はまたの機会に


コラムニスト紹介:こいしゆうか
ゆるいエ ッセイマンガなどを得意とする女子キャ ンプコーディネーター/イラストレーター

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