コロナ禍になってから、少し時間と気持ちに余裕が出てきたので
よく本を読むようになった。
読んでよかった本や、読めてないけどキャンプならなんとか読める本をさらりと紹介しようと思う。
「NATURE FIX」
自然から受ける心身の治癒効果を、科学的に研究した結果をアメリカ人作家がまとめた本。
翻訳がいいのか作家さんの特色なのか、とても読みやすい本なので興味がある人は読んでみてほしい。
自然に癒し効果があるという”森林浴”という言葉は日本発祥なんだそうだ。
冒頭は日本の自然への研究が出てくる。
実は自然に対しての研究において、日本が進んでいるということだった。もちろん同じく自然に対しての意識が高い、フィンランドやスコットランドの研究なんかも書いてある。
自然における嗅覚、聴覚、視覚の研究から、一ヶ月に触れるべき自然の最低時間など興味深い内容だった。
とても面白かったのは、圧倒的な自然やその力を目の前にしたとき、人間は畏怖の念に打たれ、人生が一変するような衝動を受けるそうだ。畏怖の念に打たれるくらいの自然体験をした人間は、少なくとも一時的に人が変わるものらしいのだ。
七年ほど前、無人島のような秘境の島へ旅をしたとき誰もいない浜辺でとんでもない夕焼けを目の当たりにしたとき、何か言葉にできない感情に包まれたことがある。圧倒的な地球の力に、涙があふれそうになり、圧倒的な孤独とちっぽけさに心が震えた。
あれも、畏怖の念だったのかもしれない。わたしがキャンプを通して人生が変わったというのはあながちあるべき姿だったのかもしれない、なんて思えた。
一度きりで終わるのはもったいない内容だったので、時々思い出しては見返している一冊だ。
「鳥のいきざま辞典」
前回同様、最近ハマっている趣味「野鳥観察」
街中にも普通にいる鳥たちをほんの少しだけ意識してみようという本だ。
バードウォッチングほどでもないから「鳥見」というらしい。
鳥の鳴き声は、焚き火と同じく1/fゆらぎがあるらしい。
街中でちょっと耳を澄ませば聞こえてくる鳥たち、キャンプに行けば、焚き火からも鳥の鳴き声からも癒し効果があるから倍増だ。
鳥を意識すると、森にいかずともたくさんの命と共存してるんだなぁと見えてくるものが変わってくる。
その意識を向けるためのきっかけの本でもあると思う。
最後は、どきりとするテーマを掲げた雑誌。
SPECTATOR(スペクテイター)
は独自の切り口で面白く、ファンが多いのではないだろうか。
今回は、自然を人間が意識したことから始まる人間と自然の歴史をさらりと漫画で紹介している。(なんと雑誌の1/3以上は漫画!)
日本人の自然の考えと、アメリカ人の自然への考えがどうしてこうも違うのかを考えたとき、明らかに宗教が絡んでいることをしり、人間と自然の歴史を知るべくちょっとずつ本を読んできたのだけども、時系列や関係性なんかがさらりとわかって
「そう、これが欲しかった!!!(なんなら自分で描きたかった…!)」
なんて生意気なことを思ってしまいました。
(長くて眠くて、キャンプでしか読めなかった本)
あと、この本が、自然と哲学と暮らしへの大きな興味が湧いたきっかけになったもの。
「日本人にとって自然とはなにか」
自然への哲学、科学、などに言及している本ってほとんど海外のものが多いなぁという印象だったから、もっと日本人の作家にそういったことに言及していく人が出て来ればいいなぁなんて思う。
山岳信仰や八百万の神にあるように
日本人の自然への価値観ってもっと深く面白いものだと感じているし、
北には流氷が流れているときも、亜熱帯近くの島では海でシュノーケリングができるなんて、
すごい国だ。
植生も同じ日本で全然違うし、もっと日本の自然の面白さを全体的に知れる本があればいいなぁと思っているので、「こんな本あったよ!」なんておすすめあったら教えてください。
コラムで紹介された書籍
NATURE FIX 自然が最高の脳をつくる 最新科学でわかった創造性と幸福感の高め方
身近な「鳥」の生きざま事典 散歩道や通勤・通学路で見られる野鳥の不思議な生態
スペクテイター〈49号〉自然とは何だろうか
森の生活 上-(ウォールデン) (岩波文庫)
コラムニスト紹介:こいしゆうか
ゆるいエ ッセイマンガなどを得意とする女子キャ ンプコーディネーター/イラストレーター
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