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キャンプに行くまでの体力はなくとも、
双眼鏡をもって近くの低山にだったら行ってもいいかな、と思うときがある。
朝、起きて雲一つない天気だったら、
ふらっと行ける距離にあるところに住めたらいいんだけど、
残念ながらわたしの家から1時間以上かかる。
それでも、最近はちょくちょく山に出かけるようになったのは、
案外近くの森や山でも、そこにいる鳥たちに出会えることを知ったからだ。
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できれば、誰もいない時間を狙うのがいい。
鳥たちが無防備にあちらこちらに飛び回り(もしくは地面を歩きながら)餌を探している
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不規則なリズムで太鼓か何かを叩いている人でもいるのかと思ったら、
キツツキの音だった。
アカゲラかアオゲラか、その正体はわからない。
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声が鳴くほうに眼をむけると、鳥の影が見えてくる
すかさず双眼鏡でその姿を捉える。
慣れていないと目線の先に双眼鏡を持ってくるのは難しい。
野鳥観察では、まず鳥の声に耳をすませる。
姿じゃなく声で判断もできるからだ。
事前に、いくつかの鳥の鳴き声を覚えたつもりだったけど、
実際の声を聞くとなんなのかわからない。
姿をとらえたとしても、「こいつはなんだ…?」と、
メジャーで特徴的な鳥じゃないと、判断がつかない。
野鳥観察の道はまだまだ遠い。
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だけどそれが面白い。
(自然観察はもちろん含まれるが)歩くことだけが目的だった登山に、もう一つ楽しみが増えたのだ。
「あの鳥に会いたいなぁ」とわくわくして山に入る。
結局会えずじまいに終わるのだけれども。
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鳥の声も聞こえないときは、ただただ無心に歩く。
時々空を見上げたり、地面を見たり、木を観察したりする。
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空気を感じ、耳をすまして、よく観察する。
そんな時間をあえて作ってみる。
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ゆっくりで、短くていい、ちょっとだけ森に入るればいい。
双眼鏡があれば、もっともっと違う世界が見れるから。
コラムニスト紹介:こいしゆうか
ゆるいエ ッセイマンガなどを得意とする女子キャ ンプコーディネーター/イラストレーター
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